新年度になると、学校では新しい教科書と副教材と呼ばれるドリルや資料集が準備されます。
中学校までは「義務」教育ですから、教科書は無償ですが、残念ながら副教材は有償です。
その有償の物を採用するかどうかは各学校に任されており、学校によってその金額が異なります。
お子さんの沢山いるご家庭にとっては、毎月結構な金額を請求されてしまいます。
しかし、この副教材は、少し立ち止まって考える必要がある気がします。
学習内容の徹底した習得のために、問題集や学習プリントは効果的ではあります。
しかし、購入後の利用状況を考えると曖昧さを感じます。
普通、買い物は購入者が気に入って買います。
ユニクロだって、コーチの財布だってそうです。
ところが、学校で買わせる問題集や資料集は、教師が目的を持って「買わせた」ものですから、普通の買い物とは全く意味が違います。
なにしろ、児童・生徒や保護者にとっては、「買いたい」と思って買ったものではなく、「買いなさい」と言われて買ったものですから。
自分で選ぶ時、サイズや色味があってなかったら、違うものに交換します。
ところが、副教材は、そういきません。購入者の気持ちは置き去りにされてしまいます。
使うかどうか怪しい物にお金を払わされたら誰だっていい気持ちはしません。
最近のネットショッピングでは、気に入らなければ返品まで受け付けていますからね。
ですから、「学校で使うものだから」という大義名分を振りかざし、使わなかったのは子供の努力不足だと決めつけるのは、時代錯誤でしょう。
本センターのスタッフに聞いても、
「学校時代の教材は無駄が多かった。」「使いもしない辞書を大量に買わされた。」
と思い出を吐露してくれます。
この時代、副教材や辞書が使われずにきれいなままというのは許されません。
だからこそ、「買ってよかった」という満足感を使用する子供たちやお金を払ってくださる保護者に感じてもらうことが大切だと思うのです。
それが、あるる意味コンプライアンスを大切にしているとも考えます。
製造業では、「者に聞くな 物に聞け」という言葉が大切にされているとか
人の説明よりも出来上がった製品を見た方が仕事の丁寧さや工夫が実感できるという意味なのでしょう。
となれば、買わせた副教材が1年後にしっかり使い込まれていて、その様子から
「なるほど、この副教材を買ってよかった。」
と思わせる学校の努力が必要だともいえます。
その意味では、使い倒された副教材という「もの」を見せるところまでが、学校の責任です。
副教材選びは簡単ではないのです。
商取引の常識に疎い教員も、意識を変えるだけでサービスが違ってくるかもしれません。
今回のお話はこれで終わります。
次回をお楽しみに。
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