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2024年6月17日月曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(7)

 ずっと、自分の世界を広げることの大切さに触れていますが、それは、なぜでしょうか?

理由は、学校という社会が、リアルな社会とは違い、その価値観がすべてだと勘違いをしてしまうのは心配だからです。

もちろん、学校にしかできないことは多く、学校の果たす役割はとても大きいです。

ただ、社会に入る練習期間であり、リアルとは違っているのは仕方のないことです。


現実の社会は、異年齢の相手、所属も様々、毎日顔を合わせる人だけで成り立っているわけではありません。

ですから、学校を出ての社会体験学習やよのなか先生の話を聞くことの意味は大きいと思うのです。


「学校のルールが厳しい。」

という声は昔からよく聞きます。

ただ、先生も保護者も生徒も、そのルールが何のためにあるのかを深堀出来ずにいて

納得感が薄かったのかもしれません。


しかし、ルールには目的があるはず

それを、社会人から聞くことが大きな学びにもつながります。


リアルな社会でのルールの一例に

「点検作業の時は、必ず主電源を切り、安全レバーを固定する」

というのがあったとします。

そのルールを守らなければ、

・大切な従業員が大けがを負う

・事故機械の検査、補修で事業所の営業が止まる

・事故関連での製造がストップして納入先に迷惑をかける

・会社としての信用を失い事業継続が危うくなる

といった悲劇を招きます。


こういった事業所でルールを学ぶと

そのルールが守っているものが見えてきます。


連絡や報告も含めて、社会のルールの厳しさや意味を学ぶには

学校の外での経験が大切です。


ルールを守ることを学ぶのではなく、

なぜ、ルールがあるのかを学ぶことができるからです。


だからこそ、外で学ばせたい。

それも本市のよのなか挑戦の目的です。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。



2024年6月16日日曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(6)

 自分の限定しないことが、将来の仕事への道を広げるという話を前回しました。

次は、自分が当然だとか、普通だとか思っている枠を広げることの意味についてです。

次の物語を聞いてください。


 子供が大好きな父親のAさん。

今日は、約束通り息子のBちゃんをキャンプに連れていきます。

Bちゃんの喜びようと言ったら大変なものです。

休日のたびに遠出をしている親友のCさんをいつも羨ましく思っていたからです。

前日からの準備は万端、キャンプ場を目指す車中の会話も弾みます。

ところが、信号無視をした若者のスポーツカーが猛スピードでぶつかってきたのです。

事故現場は、目を覆う惨状

運転していた父親のAさんは、残念ながら搬送中の救急車の中で息を引き取りました。

息子のBちゃんも瀕死の重傷。

ようやく運ばれた病院の手術室で、Bちゃんを見た執刀医は凍りつき、

「この子の手術はできない。冷静な判断ができない。」

と言いました。

そして、絞り出すような声でこう続けたのです。

「この子は、私の息子だから。」


となりませんでしたか?

そう、この執刀医は女医さんです。


私たちは無意識のうちに性別と職業を結び付けています。

そして、自分の社会観を狭めています。


自分にとって「普通」は、狭い世界なのです。


だからこそ、中学生には性別や職業を結び付けて考えることから抜け出てほしいのです。


今回は、ここまでにします。

次回をお楽しみに。

2024年6月12日水曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(5)

 本当の自分は、自分でも分からない。

「ジョハリの窓」

をご存じでしょうか?

①自分も周りも知っている自分

②自分だけが知っている自分

③周りだけが知っている自分

④自分も周りも知らない自分

の4つの側面で個人はできています。

自分だけが知っている自分は、限られた自分です。

その自分は、妙に過小評価したり、過大評価したりすることもあり、

周りから見ると、

「あの人は、いつも偉そうな態度をとっているけれど、たいしたことないよね」

と陰口を言われたり、

「あの人は、不安そうにしているけど力があるのよね」

と残念がられることもあります。

 自分の器を大きくする上でも③を教えてくれる周りの人はとても大切です。

 問題は、④の自分です。

この④の自分は、新たな挑戦や環境でしか顔を出しません。

どれだけの広さがあり、深さがあるのかも分からないですが、

言い換えれば宝の山です。


人の好きと得意は違います。

好きは毎日やっても、長時間やっても心地よいもの。

得意は、短時間で効率よくやれるもの。

私などは、飽きもせずにゴルフの素振りを家の中でやりますが、

コースに出ると散々の結果。大好きなゴルフなのに、、、。

ところが、あまり練習はしていないのですが、玉ねぎを薄くスライスする包丁の技術はあります。

(だからと言って玉ねぎを切ることが好きでたまらないわけではありません)


これは未来の仕事を考えるときにも大切な視点です。

好きを限定せずに、いろんなことに挑戦すると得意に出会えるかもしれません。


ところで、成績が伸びる子の特徴として、ずいぶん前の調査で

・一人で電車の切符を買える

・食事の注文を自分でできる

・恥ずかしがらずに聞き直すことができる

などが挙げられていました。


前回と話がかぶりましたが、要は自分を殻に閉じ込めないことです。

繰り返し、日向の子供たちに伝えます。


今回は、ここまでにします。

次回をお楽しみに。



2024年6月11日火曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(4)

 美味しい人生は、多くの知識や経験と、それを生かす多様な考え方が大切。

でも、それは、現代だけの話ではありません。

縄文時代には、屈強な男たちが動物を捕まえますが、これとて、少ない知識では獲物にありつけるわけがありません。

刃先についているのは黒曜石

ガラス質で鋭利なものが重宝されたのでしょう。

単なる体力勝負ではなく、使う道具の知識が大切だったことを物語っています。

しかし、狩りの多くは罠

動物を追い詰める方法は、集団戦

風向きを考え、地形を生かし、役割を分担していたはずです。

多くの知識や考え方が生かされて成否が決まっていました。


現代の仕事は細分化されていますが、基本は同じです。


ですから、中学生が社会体験学習をする際は、その仕事がどんな人たちとかかわって成り立っているのかを学んでほしいのです。

そして、一歩踏み出した経験をすることが大切です。

それが、社会を知ること

限定された仕事の手伝いで終わるのではなく、その仕事の意味を考えられる体験は宝です。

そのためには自分を決めつけてはならない。

まだ、中学生なのです

可能性の塊

進むべきフィールドは広がっているのですから。


そんな話をしました。

今回はここまでにします。


次回をお楽しみに。



2024年6月10日月曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(3)

 前回、多様性が大切だ、日ごろ接しない人とも関係を築き、自分を磨くことが成長につながる話をしました。

今回も、多様性について少し掘り下げます。

前述の出口さんの講演を参考にして、

「美味しい料理をまずい料理はどちらが良いですか?」

と中学生に問いました。



ほとんどの生徒が美味しい料理が良いと答えました。

そして、美味しい料理の条件を生徒に聞くと

・温かい

・家族と一緒

・肉や魚

・味付け

などの答えが返ってきました。

その中で、私は材料と調理法を取り上げました。

全く同じ単一の材料ではなく、多くの材料がある方が美味しい。

しかも、煮たり焼いたり蒸したりと料理法もバラエティがあった方が美味しい。

次に、

「美味しい人生とまずい人生では、どちらがいいですか?」

と問いました。

もちろん、生徒の答えは、美味しい人生


では、料理における材料と調理法は、人生では何でしょう?

材料は、知識や経験

料理法は、考え方


ですから、美味しい人生に行きつくためには、限定された知識や経験、考え方だけではなく、

自分ののりしろを超えた試みが大切です。


日本に昔からあった抹茶

明治になって入ってきたアイスクリン

決して相容れそうにない2つのものを結び付けて抹茶アイスは誕生しました。


新しい可能性は、限定された知識ではなく、遠く離れた知識を結び付けることから始まります。


中学生の社会体験も同じです。

自分の興味を社会体験で深堀するのも意味がありますが、成長過程の生徒には

一歩踏み出した知識や経験を得てほしいのです。


ですから、こんな話から始めていきました。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。


2024年6月9日日曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(2)

 APU アジア太平洋大学の元学長の出口治明さんは、人生を豊かにする3つの宝を

「人」「本」「旅」

と強調されています。

戦後の高度成長社会の時代は、がむしゃらに一致団結して働くことが良しとされていました。

追いつくモデルのアメリカがあったから、それでよかったのでしょう。

懸命に働いて、残業もこなし、そのあと先輩に誘われて、仕事のコツも愚痴も聞く。

上司が飲み会に参加すれば、気を利かせて

「ここは、課長のあの歌で絞めてもらわないと、場が収まりません」

と十八番の歌を毎回勧めて、同じように終わる。


せっかく大学まで学んだある新入社員が、気づいたのだそうです。

自分は、この1年で1mmも成長していないと。

このままでは自分の成長は止まると。


そこで、彼がとった行動は

職場の夜の付き合いをやめて、その時間を自己投資(勉強)することです。


飲みに行くにしても違う関係性の人と行くことにしたのです。


同じ関係性の中にいると決して聞けない流行の歌やビジネスの話が聞けることに気づいた彼は、仕事でも創造的な取り組みを生み出したようです。

つまり、多様な人との出会いが彼を変えたのです。


中学生にとって、日頃の集団から一歩抜け出して、社会の集団に入る体験は少しハードルが高い。

しかし、そこを超えることが何よりも大切です。

現代は、多様性の時代と言いながら、異質の集団や違う価値観に触れることを避けるのは

自分の可能性を狭めることになるからです。


この大切さをどう伝えたかは、次回のお楽しみ。

今回はここまでにします。



財光寺中学校でのキャリア教育(1)

 5月末に財光寺中学校でキャリア教育の研修をしました。

対象は、中学校2年生です。

彼ら彼女らは、これまでに職業調べをして、気になる業種については少し学びを深めています。

ネットや紙資料で表面的な理解が少し進んだ状態です。

今回私が呼ばれたのは、これから行う社会体験研修(実際に職場に行っての研修)を充実させるためのものです。


この講話で、始めに行ったのは、私と生徒たちの人間関係作りです。

一緒に学びあう人の人間関係をスムーズにしておかなくては、学びの効率は落ちます。

大人だって初めての人から話を聞くときに、緊張します。

ましてや質問に答えるのは至難の業。

仲間の前で、しかも初めて講師の前で恥をかきたくありませんからね。

ですから、私は、話を始めるときは、相手が大人であれ、保護者であれ、小中高生であれ、

親和性を高めるワークショップを行います。

 この人の話を聞いてみようかとか、友達の前で間違っても平気だというような雰囲気作りはとても大切です。

 その日の講義を左右するとも言えます。

(心理的安全性を高めることの大切さはエイミーエドモントンが実証しています)


今回は、リズム打ちで、始めました。

トントコトントン、トトトトトン

みたいな感じです。

音で合わせたり、ジェスチャーで合わせるのは効果的です。


少し心が開いたところで、話を始めました。

今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。


財光寺中学校でのキャリア教育(7)

 ずっと、自分の世界を広げることの大切さに触れていますが、それは、なぜでしょうか? 理由は、学校という社会が、リアルな社会とは違い、その価値観がすべてだと勘違いをしてしまうのは心配だからです。 もちろん、学校にしかできないことは多く、学校の果たす役割はとても大きいです。 ただ、社...