以前のブログ

2025年7月8日火曜日

よのなか先生の話から学ぶこと(2)

 今回取り上げるのは、大洋開発の西村光平さんです。

西村さんは、日向市内で不動産業を経営されている方で、世相マンガやイラストでも有名で、数々の賞を受賞され、文化事業にも貢献されている方です。

その西村さんの自己紹介が面白い。

高校卒業後、測量会社に入ると頭角を現し、収入も右肩上がり。

そんな中、あてにしていた仕事ができなくなるピンチに見舞われ、自分で不動産会社経営を決意します。

その年齢は何と26歳。


しかし、はじめから上手くいった訳ではありませんでした。

顧客数も限られる中、堅実な仕事で販路を拡大していきます。


トラブルもありました。

例えば、医療関係の方から依頼を受け、かなり大きな土地を探し、提案した時のことです。

何度も、土地の持ち主に地中に何も埋まっていないことを確認したにもかかわらず、造成工事中に・・・。

大きなトラブルになりますが、問題を前にしてただ悲嘆にくれるだけでなく、真摯な対応を続けて解決にたどりつきます。

誰かのせいにするのは簡単ですが、ピンチで学んだことを生かし、それまでに築いてきた信用を糧に事業は伸びていきます。


今振り返れば、若い頃は売り上げを気にするあまり、やや強引であったと反省することもありますが、

結局は、お客様がいかに満足してくださるかを突き詰めていくと、違った展開も出てきたようです。

と西村さんは話をつづけました。


そういえば、西村さんは地域貢献やボランティア、文化事業推進などにも力を入れている方で、そういった裏表のない毎日が、多くのサポーターや理解者を得たのではないかと想像させられました。


西村さんは語ります。

自分の考え方を強引に押し付けても、相手が理解し、納得してくれなければ何事も進まないと。

また、素直であること、いったん十分に相手の言うことを聞いて自分の箱の中にしまってみることを薦めてくださいました。

仕事をしていると、10人のお客様がいれば10通りの価値観や個性を持っていて、学校の勉強のように答えが一つであることの方が少ない。

だからこそ、相手に自分を理解してもらわないといけないし、相手を理解する努力をしないといけない。

違う言い方をすれば、相手に好かれる、認めてもらうというのはとても大切なことだと。


生徒も、西村さんの話は未来の話ではなく、中学校生活の今、大切にすべき視点だと気づいたようです。


これこそ、よのなか教室ですね。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

前回はこちら



2025年7月7日月曜日

寺迫小学校よのなか教室 クリーン日向さん

 今日は、日向市南部の寺迫小学校の「よのなか教室」でした。

今回の、よのなか先生は「クリーン日向」の皆さま。

これまでのよのなか教室と一味違った取り組みです。

いつもは、よのなか先生によるお話が主なのですが、今回は「リアル」を体験する時間が設けられていました。

わざわざ、会社からパッカー車と4トン吸飲車を学校まで持ってきてくださったのです。


おかげで、ゴミがどんな仕組みで収集され、清掃センターで廃棄されるのかがよく分かりました。

体に伝わる音や振動は、話だけでは伝わりません。

スイッチが入り、機械音がうなりを上げるたびに、

「おーっ」

と子供たちの歓声が上がりました。

用意した大量の水を何秒で吸い取るかのクイズを出して子供に予想させ、

その予想があっているかを実演で確かめさせる工夫も見事でした。

運転席に乗せてくれたり、荷台を傾かせたりと、深くて記憶に残る学習でもありました。


そんな中、

「仕事は安全が大切です。そのためには、決められたルールを守らなければなりません。」

と教えてくれました。

「ルールを守らないと、機械に手が巻き込まれて、大事故になります。」

学校におけるルール

時々曖昧になりますが、その意味を考える良い機会になりました。


また、学校のトイレが詰まって、SOSが来たので駆けつけ、詰まったものを吸引してみると

鏡やタワシガ出てきたこともあったそうです。

詰まっていれば使えませんから、ルールを破ると知らない誰かにも迷惑をかけるのですね。

具体例は説得力がありました。


さて、このよのなか教室

事前に何度も打ち合わせをし、しかも前日も学校で確認をするなど

クリーン日向さんの会社を上げての取組のよさには頭が下がります。


社員さんこそ、クリーンだと思わされました。

この現場感のあるよのなか教室、他の学校も参考にしてもらえたらと期待したいです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

次回はこちら

前回はこちら


2025年7月6日日曜日

よのなか先生の話から学ぶこと(1)

 先週は大王谷学園、日向中学校と「よのなか先生」計8名にご講話を頂きました。

どの話も興味深く生徒を惹きつけるものでしたので、そのエッセンスを紹介いたします。


一人目は、大王谷学園でお話を頂いた塚本さん

校区内の介護付有料老人ホーム大王谷スカイホームとデイサービス心愛にお勤めです。

まずは、中学校時代のエピソードから

小学校時代にバレー選手として活躍していたけれど、中学校のネットの高さに愕然。

このままでは、決してレギュラーになれないと入学直後から暗い気持ちに・・・。

結局、バレー部に入部しませんでした。

ところが、中体連の県大会に日向地区代表として出ていく部活動生を励ます推戴式で体育館ステージ上で紹介される友達の様子を見て、一念発起しました。

バレーでなくても、自分の努力で何とかなる部活動に入り、あの壇上に上がろうと覚悟を決めたのです。

選んだ部活動は、テニス部。

懸命の努力で、見事に県大会出場を勝ち取り、壇上の栄誉にたどりつきました。

ゴールを決めて努力をする中学生時代のエピソードは用意していただいた中学校時代の写真とともに生徒たちの心をつかみました。


今のお仕事を選んだのは、ご自身の祖父母とのお別れがきっかけでした。

都会でやっていたウエディングプランナーはこれから幸せになる人の伴走でしたが、祖父母との別れから、人生を終えていく人たちの伴走に力を尽くしたいと考え帰郷しました。

資格を取るにつれ、資格なしでは聞いてくれなかった人も耳を傾けるようになり、学ぶことの大切さに気付き努力を続けたということです。


私が印象に残った話として

認知症が進んでいる方が夕方になってソワソワする時に、単に話し相手になるのだけでは、毎日のソワソワは続くという例です。

原因を探って対策を取る解決方法が見事でした。

認知症の方がソワソワするのは

「子どもに晩御飯を作らないといけないから。」

「主人が仕事から帰ってくるから。」

と自分が若い頃に戻ってしまって、焦っているからだと突き止めた塚本さん。

さっそく、お手製のバスの停留所を所内に作り、ベンチを置き、帰りのバスがあって、いつでも帰ることができるように伝えて、そこで安心させた話です。

バス停で落ち着いたお年寄りが夕方を迎えるとお腹もすくので、

「もう、今日はここで晩ご飯を食べよう。」

と誘うと、

「そうだね。」

といって夕飯に向かう方々。

無理に説得したり、強制するわけでもなく、気持ちを大切にしたやり取りがケアマネらしいと感心したところでした。

何のため、誰のためのを考えた仕事は説得力がありますよね。


こういった話が生徒の心に入ることを期待したいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

次回はこちら


前回はこちら


2025年7月3日木曜日

読書が連れていく世界

 

日向市では、新しい図書館の建設計画が少しずつ進められ、市民の皆様の新たな居場所として期待されています。

一方、若者の活字離れは深刻で、新聞の発行部数は右肩下がり、小中学生の読書冊数は増えているものの、高校生や大学生は顕著に読書冊数、読書時間が減っています。

となると、生涯にわたって本を楽しむ文化はできていないのかもしれません。

ただ、小中学生の読書も読みやすいもの、面白いものが中心で、様々な分野を読んでいるとは言えません。

もちろん、本の趣向は、個人によって異なるのが当たり前で、分野を指定されてしまうと読書欲そのものを削いでしまうでしょう。

ただ、食わず嫌いというか読まず嫌いをなくしたいものです。

元の台湾デジタル相のオードリー・タンはその著書「Thinking skills」で面白いことを教えてくれています。

世界の自動車市場を席巻しているテスラのイーロン・マスクもオードリーも小さな頃からSF小説が大好きで熱中したらしいのです。

SF小説は、もちろん、空想の世界ですが、未来を考えるトレーニングであり、現実の世界よりも広い世界を楽しめます。

人間の想像力は、現実世界を圧倒するもので、NHKの大河ドラマでさえ、原作を読むと概略版に感じてしまいますからね。


また、詩の世界も意味があるようです。

日向市で言えば、牧水短歌でしょうか?

俳句や短歌、詩で使われる言葉はとても精選されています。

精選された言葉は短くても的確な意味や概念を読み手に想像させます。

数学ではありませんが、精選された言葉の深い意味を読み取ったり、書いたりする作業をオードリーはプログラミングにも活かせると語っています。

複雑なものをより簡潔にする力がつくのでしょう。

 

そう考えると国語の勉強も違って見えてきませんか?

 

夏休みが始まります。

学校では、夏休みに向けて図書の貸し出しも始まります。

子供達には、沢山本を読んで、現実世界の何倍もの大きさの世界を旅し、思考を深めて欲しいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

前回はこちら

 前回はこちら

2025年7月2日水曜日

履歴を磨く

「履歴を磨く」は、分かりづらいかもしれませんが、要は自分の頑張りの客観的評価を積み重ねるということです。

例えば

「私は、貿易関係の仕事に興味があったので、中学生時代は英語を頑張りました。」

と自己アピールをしても、「頑張り」には個人差があるので、評価は難しいです。

1時間で精いっぱい頑張ったと思う人と、5時間やって頑張ったと思う人がいますからね。

そんな時に、客観的に「頑張り」を証明してくれるのが、検定だと思います。

小中学校で言えば「英検」「数検」がそれです。

ただ、小中学生の時期は部活等の練習試合や友人との付き合いなどが優先されて、英検自体を選ばないこともあり、親としては歯がゆいこともあります。

その時は、

「英検なんて」

と思うかもしれませんが、後で

「あの時に、受けとけばよかった。」

と悔やむ人も多いようです。

我が町日向市では年に3回しかチャンスはありませんからね。(地域によってはコンピュータ方式(英検S-CBT)が導入されて、毎週受験できます。宮崎県では宮崎市)


市内の富島高校生徒の中には、将来に備えて計画的に簿記や情報処理、秘書、保育などの検定を積極的に受け、見事に突破している生徒もいます。

高校生なら、遊びも部活も、やりたいことはいっぱいあるだろうに、ちゃんと未来を見据えて努力ができるのは偉いなあと思います。

教科の勉強でなくても自分の興味や強みを伸ばしたければ、はやりのドローンでも16歳から受験可能。

しっかり準備して、挑戦し、認められた資格を取るのは大切なこと。

若いうちから、合格までのスケジュール管理や目標設定などを学べば、大きな財産になります。


人と比べる必要はありませんが、履歴を磨くことは、自分磨きにも繋がります。

どんどん挑戦してほしいものです。


たっぷりある夏休み

子どもの与えられる時間はほぼ平等

何に使おうがも個人の勝手


しかし、使い方で少し自分磨きができるかもしれませんね。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

次回はこちら

次回はこちら



2025年7月1日火曜日

名前を呼んでの応援

夏の全国甲子園大会の都道府県予選が始まります。

悲喜こもごもの筋書きのない青春ドラマ

観る者を惹きつけるのは当然です。

ところで、スポーツでは選手の名前をコールするのは当たり前で、時にはドラムやトランペット・・・。

日常生活で、名前をよんで声援することは、少ないですよね。

勉強中に

「がんばれ、がんばれ、太郎!頑張れ、頑張れ、太郎!」

とか

「太郎!しっかりボールを見て!」ではなく、「太郎!しっかり問題を見て!」

なんて励まされたら、かえって迷惑です。


そういう意味では、スポーツでの声援は親子の関係や仲間との関係を強めるものでしょう。

大声で我が子の名前を呼べますからね。

叱るではなく、励ます意味で。


近頃は、個人情報とかプライバシーとか厳しくなって、個人の顔と名前が特定されるのが、

OUTになってきている気がします。

しかし、日向市が目指しているコミュニティスクールでは、名前を呼んで励ます人間関係を大切にしてほしいものだと願っています。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみ。

次回はこちら

前回はこちら





2025年6月29日日曜日

水泳とヘッドアップ

例年より早い梅雨明けで、朝からうだるような暑さの日向市です。

川に入って、体を冷やしたいものです。

ところで、暑くなるとどうしても水の事故が起こります。

毎年繰り返される水の事故ですが、子どもたちの泳力そのものは落ちている気がします。

特に、コロナ禍の期間は、更衣室の密を避けるために水泳自体が取りやめになり、その時期に全く泳がなかった子供たちの泳力が落ちているのは明らかでしょう。

命を守る泳力が期待できないので、将来を考えると怖さを感じます。


ところで、欧米ではヘッドアップ平泳ぎを教えることがあります。

これは、水に対する恐怖心を減らすためのものです。

水に落ちた時に、先ずやらなくてはいけないことが、呼吸しやすくすることと、視界の確保をすることですから、命を守る泳ぎとも言えます。

基本的に水を怖がる子の多くは、息ができなくなる恐怖感が大きいので、頑張って顔を水につけようとしても、瞬時に顔を上げてしまいます。

しかも、水中で目を開けられない子は見えない中で息もできないという二重の恐怖の中にいます。

このことからもヘッドアップ平泳ぎの必要性は理解できます。


ところで、日本の水泳指導は、

①水中ジャンケン(水の中で目を開けられるように)

②伏し浮き

③だるま浮き(体を丸めて両手で両膝をもって浮く)

④バタ足

⑤面かぶりクロール

顔を上げず、呼吸を止めて泳ぐ面かぶりクロールの練習が先です。

こうなると、万が一、池に落ちても岸から離れる方向に懸命に泳ぐことになりかねません?

水難事故の中には、10Mくらいを泳げば足がつける場合もありますから、命を守ることを考えると、面かぶりクロールではなく、ヘッドアップ平泳ぎも必要かもしれません。


ただ、顔を水につけることが怖い子たちは、お風呂ではどうしてたのだろうかと心配になります。

学校の水泳時間はせいぜい年に十数時間、お風呂の時間や回数に比べて圧倒的に少ないのは間違いあありません。

その意味では、家庭での水慣れ、水遊びの経験の差は大きく影響しているのかもしれません。


それにしても、水泳は全身運動ですから思った以上に疲れます。

梅雨明けの暑さと湿気は強烈、水泳で疲れ、エアコンで涼めば、先生の話も子守唄です。

学習者を主役に、グループ活動や操作活動を工夫しないと、子どもたちは眠たさに耐えながら全く頭に入ってこない学習をすることになります。

学習においても、どうヘッドアップさせるかが大切ですよね。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

次回はこちら

前回はこちら


よのなか先生の話から学ぶこと(2)

 今回取り上げるのは、大洋開発の西村光平さんです。 西村さんは、日向市内で不動産業を経営されている方で、世相マンガやイラストでも有名で、数々の賞を受賞され、文化事業にも貢献されている方です。 その西村さんの自己紹介が面白い。 高校卒業後、測量会社に入ると頭角を現し、収入も右肩上が...