最近、小中学校では、雨の日になると校門近くは、保護者の送迎の車で混雑するとか・・・。
中には、お子さんを降ろすと、不十分な安全確認の中、危ないスピードで駆け抜ける車もあるようです。
(大きな事故にならないことを願っています。)
昔の話ばかりすると、何だかノスタルジーを訴える感じになってしまわないかと心配しますが、登下校のお話をさせてください。
僻地の学校の話です。
その学校は、東西南北の高い山に囲まれた小さな裾野にありました。
色んな方向の山から下りてくる子どもたち。
結構、峻険で、クネクネしている通学路です。
ときには、クネクネを一直線で進む抜け道も利用しながらの登校です。
私は、歩いて家庭訪問をしました。
結果は、ご家庭に着くまでにヘトヘトでした。
雨が降ろうが雪が降ろうが、こんな急な坂道の上り下りを繰り返す子ども達。
大人の私は、自分の根性のなさを突き付けられました。
さて、この道は小学校1年生でも、逃れられない道です。
学校に行くときは降りていくので少しは楽なのですが、帰りはずっと登り道ですから泣きたくなるくらい大変です。
そんな時に登場するのが1本の棒なのです。
6年生は、山から拾った小枝などの棒を端を持って、反対の端を1年生に持たせます。
大人の私が音を上げた上り道を、1年生は6年生に引っ張られながら家路に向かうわけです。
寒い日も雨の日も
見方によっては、不便極まりない環境。
しかし、見方を変えれば、異年齢間の人間関係、信頼、尊敬、助け合い、励まし、など
人としての底力が鍛えられる環境だとも言えます。
ジャン=ジャック・ルソーはその著書『エミール』の中で、子どもを不幸にする最も確実な方法として、「いつでも、なんでも手に入れられるようにしてやることだ」と述べています。
これは、子どもの欲求をすぐに満たすことが、最終的には満たされないことへの耐性を失わせるというものです。
我が子は可愛い
掛け替えのない宝物
しかし、与えることが力を奪うことになることに十分気を付けなければならい戒めでしょう。
今回のお話はこれで終わります。
次回をお楽しみに。
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