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2025年6月24日火曜日

巧緻性を支える基本

巧緻性を高めるといいことがあるでしょうか?

違う表現で言うと、手先の器用さ

多分、昔の子どもに比べて、現代のお子さんの巧緻性は格段に落ちていると思います。

理科の実験で、ガスバーナーに火をつける時、今の子どもはマッチを擦れません。

何本渡しても、マッチを折ってしまいます。

慣れた人にとっては何でもないことですが、日常にマッチがない子どもにとって、

擦る行為、微妙に触れるかどうかの距離感覚は、マジックみたいです。

学校では、結局、マッチを使わずライターに移行しましたが、実例はこれだけではありません。


鉛筆は、しっかり研いだものでないと、芯が丸くなって、太字になったり、書きづらくなったりするものです。

しかし、手先の器用さがあると、鉛筆を上手に回しながら、芯をつぶさずに書くことができます。

昔の子どもなら普通のことでも、今は特別なことになっています。

日本人の頭脳の明晰さは、手先の器用さと連動しているのではないかという仮説は、昔からありましたので、今後の子どもたちが心配になります。


なぜなら、スマホやタブレットのゲームでは鍛えられない力を育てていた場面が、生活や遊びの中なくなっているからです。

「あやとり」などはいい例でしょう。

自分の指感覚がないと、動かすつもりの指ではなく、別の指が動きます。

上手に取るには、空間認知力も必要です。

3D感覚です。

数学の立体の対角線の問題など、空間認知力がなければお手上げですから、こういった経験は大変貴重です。


幼児の大好きな塗り絵でも、はみ出さずに塗ることで、巧緻性だけでなく集中力も高まります。

ただ、大切なのは巧緻性を支える鉛筆の持ち方

小学校に上がる前には強烈な変な癖がついていて、直せないことが多いです。

となると、巧緻性どころではありません。

癖を直されるのは、誰でも違和感があるし、かえって不便を感じます。

その強烈な癖で失っているものは小さくはないにもかかわらずです。


私は若い頃からゴルフが大好きでしたが、自分勝手に練習して強烈な癖を身に着けたが故に

今でも、始めたての若者にあっさりと負けてしまい、苦笑の連続です。

しかも、たちの悪いことに癖がついてしまうと、上手くなるための練習ではなく、癖を治すための違和感だらけの練習になり、練習自体も嫌になるのです。


巧緻性を支える基本は、どの分野でも大切ですね。

そして、指導者は根拠に基づいて、子どもや保護者に語るべきでしょう。

「鉛筆を正しく握りなさい。」では、浅い。

先を見通した指導が大切だと思うのです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに






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