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2024年6月30日日曜日

遠山コーディネーター退任のお知らせ

 6月末をもって、3年3か月の間、日向市キャリア教育の要としてご苦労頂いた

遠山秀樹事務局長兼コーディネーターが退任されました。

経済界出身の彼の残した足跡を少し振り返ってみます。


10年以上前、本県も本市もキャリア教育を学校に依存してました。

つまり、学校の「進路指導」に子供たちの未来選択を任せていた部分が大きかったのです。

就職先である企業側も、「入社してから育て上げる」風潮があり、

学校の進路指導をあまり期待していなかった面もありました。

しかも、大量生産、大量消費の時代で、終身雇用を前提とした社会でしたので

学校で何を学んだかではなく、入社後のモーレツ社員が歓迎されていました。

「24時間戦えますか?」

働き方改革が叫ばれている現在では考えられないキャッチコピーが

今では懐かしく思い出されます。


ところが、今や就職3年後の離職率は3割を超えています。

「石の上にも3年」

ではなくなったのです。

加えて、育てた若者が次の可能性を求めて転職する時代に変わりました。

特に地方では、若者自体が地元に残らない傾向が強くなっています。


そんな中、立ち上がったの組織の一つが横須賀商工会議所

「学校だけに任せられない」

本当に、子ども達はしっかり悩んで考えて、未来を選択したのだろか?

ぼんやりとした職業観や社会観しか持たずに、就職してしまっていないだろうか?

子供たちに働く意味や喜び、魅力を伝える責任は、地元企業にもあるとし、

キャリア教育を進めていきました。


これは、画期的なことでした。

それまでの学校教育は教員任せでしたから。

そして、その取り組みを宮崎県内で最初に始めたのが日向商工会議所でした。

ですから、日向市キャリア教育支援センターのスタッフが経済界出身であるのは

当初から重要なことでした。


遠山事務局長は、その知見を活かし、本市のキャリア教育を推進しました。

学校にいると気づき辛いかもしれませんが、市内の事業所の皆さんの

キャリア教育に対する理解を広げ、学校への協力体制を彼が下支えしたのです。


今回、退任されましたが

今後とも日向入郷のキャリア教育推進のため、お力を借りたいと思っております。

ご苦労様でした。



今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。




2024年6月27日木曜日

大王谷学園7年生(中学1年生)のキャリア教育

 昨日は、大王谷学園7年生と「働くということ」を学ぶワークショップを行いました。



どんなところに将来、就職したいかと問うと、大体の生徒は

・自分が興味がある仕事

・やりがいを感じられる

・経営が安定して、リストラされない

・職場が明るく雰囲気が良い

・給料が高い

といったところを選びます。

以前に、このブログでも紹介しましたが、

仕事は自分にとって都合がよいかで選ぶことができればよいのですが

自分自身が選んでもらえる存在であるかが重要です。

仕事の報酬は、誰かの「有難う」で支払われるのですから。


例えば、上司に明日の会議資料をコピーしておくよう頼まれたとします。

会議の出席者は

・85歳の電設会社会長

・35歳のWEBデザイナー

・45歳の代理出席の課長

・30歳の市役所担当職員

と仮定します。

仕事の指示をもらったAさん

「なぜ、こんな簡単な仕事ばかりだろう。」

と今日もため息です。

Aさんは、誰かの「有難う」をイメージできていないからです。


ところが、同じ指示をもらったBさん

顔はニコニコ

「さて、どうしようかな」

ただのコピーではなさそうです。

・85歳の電設会社会長さんの資料は見やすい拡大版にしようかな、

 それとも拡大鏡を手元に準備してあげようかな

・35歳のWEBデザイナーには、資料データを再利用できるよう

 メールに添付して送ってあげようかな

・45歳の代理出席の課長には、社長さん用に予備を1部持たせようかな

・30歳の市役所担当職員さんには、関連部分だけに付箋をつけておこうかな

と考えて、前向きな仕事が始まりそうな勢いです。


頼まれたのは、明日の会議のコピー

全く同じなのに、片方はため息、もう片方はニコニコ


その違いは、相手意識があるかどうかです。


学校でも、学級の係の仕事や委員会の仕事があります。

これだって同じ。

自分にとって都合がいいかではなく、相手にとって有難いかです。


しかし、これは簡単なことではありません。

以前、ある経営者に、こんなことを聞いたことがあります。

仕事は

 5流:自分が満足できない

 4流:自分は満足している

 3流:上司に満足を与えている(褒められる)

 2流:お客様に満足を与えられている(認められる)

 1流:社会に認められている(必要とされる)

に分類されるのだと。


学校は、社会に出るまでの猶予期間でもありますから

仕事をすることを、今の自分の立場で考えさせてみたのです。

(という私が、どれほどの仕事ができているかと考えると赤面しますが)


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。








2024年6月26日水曜日

生徒を支える校長先生の奮闘

中学生の生徒が、事業所で学ぶ社会体験研修

せっかく学校を離れてリアルな社会を学ぶ場ですから

より良いものにしたいものです。


もちろん、担当の学年の先生方も、様々な配慮をしていますが

校長先生も陰で奮闘されています。

今回、取り上げるのは

日向市立大王谷学園の飯干校長先生


まずは、生徒の受け入れ先の事業所開拓から積極的

当センターがリストアップし、協力を依頼した事業所だけでなく

市内の様々な事業所に足を運びます。


「先生方の負担を減らしてあげたいし、しっかり事業所さんにもお願いをしたい。」

との思いから、「ながの屋」「SEIKADOU」

「シャトレーゼ日向亀崎」「トライアル駅前店」「デイサービス親愛」

「ミスターマックス」「大王谷幼稚園」「大王谷保育園」(他にもたくさん)

と直接、足を運び、趣旨を説明し、協力を取り付けました。

私もいくつか一緒に回ったのですが、飯干校長の熱が経営者に伝わり、

快諾されるところばかりでした。


それから、お願いする生徒数を調整し、学年の職員に提案してくださいました。

しかも、昨日は、お世話になる事業所に行って内容を確認したり、

農業経験する生徒の安全のために農地や

移動距離も確認しました。


仕事の成否は、準備で決まる部分が大きいですが、

そこは見えにくいのが常です。


その部分で、懸命に動いている校長先生を紹介しました。


大王谷の社会体験研修は7月2日から4日までの3日間

こういった影の準備が奏功し、生徒が学校では学べないものを

学べたらと願います。


天気予報は、晴れ

暑くなりませんように!






2024年6月25日火曜日

日向中学校の挑戦(1)

 昨日は、夕刊デイリー日向支局の編集部課長の鈴木さんを訪ねました。

用件は、日向中学校で行われる「よのなか教室」の打ち合わせでした。


今回の日向中学校の取り組みは、生徒の自主性を引き出す、新たな取り組みです。

日向中学校2年生は3学級ですが、

未来を創造する次世代リーダーを創出するための会社として

 日向まちづくり本部

 絵本づくり課

 ゲーム開発課

 キャラクター開発課

の4つ組織で取り組みを進めています。

日向市の特産品や文化・歴史を組み合わせた中学生らしい発信が

期待できそうです。


これまでは、市内の「よのなか先生」から働く意義を学んでいましたが

今回、生徒は活動しながら学びます。

言い換えれば自分の働きを問いながらの学び。

ですから、生徒は自己満足で終わることなく、こだわりをもって調べるし

「プロ」の視点から方向を修正したり進めたりできるのです。

今回は前述の鈴木さんに加え

 地元の印刷業を営む是沢さん

 ケーブルテレビワイワイの佐川さん

 地元新聞社の世相まんが大賞受賞者の西村さん

から、甘口辛口のご助言をいただきます。


実は、当初は昨年までと同じパターンで、「講話」の形で依頼されていたのですが

違う案を提示したところ、さらにその上を行く創造的な案を示してくれました。

日向中学校のチャレンジに頭が下がります。


さあ、どんな展開を見せるのか

プロからはどんな指摘を受けるのか

楽しみです。


これらの活動予定は7月2日

活動の様子をお知らせましすね


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。



2024年6月24日月曜日

Think globally act locally

 環境問題などを語るときに使われる言葉で

Think globally act locally (地球規模で考え、やれることは地道に足元から)

があります。


しかし、この言葉はキャリア教育でも大切にしたい視点だと思わされたのが

日向ひまわり支援学校での「よのなか教室」でした。

講師は、会社の名前もGlobal Cleanクリーンの力で社会の課題に挑戦し続ける)

の税田社長さん。


従業員の様々なニーズに対応した働き方を実現され、

宮崎県知事賞優良企業賞等を受賞されている魅力的な郷土の経営者です。

税田さんは

働くとは、傍を楽にすること

誰かの役に立つことだと 教えてくれました。

掃除は、目に見えているものをきれいにする

清掃は、目に見えないもの(ウイルスや雑菌)まできれいにする

ことだそうです。

Clean にすることは、健康にも安全にもつながる大切なことですから、

仕事そのものが大きな社会貢献につながっていることが分かりました。

高等部の生徒は、プロのお仕事の一端を経験したのですが、

道具も手法も、家庭のそれとは違っており、深い学びにつながったようです。

座学だけではなく、体験を取り入れると、より実感できますね。





講師の税田さんに話を聞くと、六三四(634mの東京スカイツリー)の

メンテナンスの方にコンサルをしたり、東南アジアの国で仕事の提携をしたりと、

お忙しいようでした。

日向市にいても

マーケットは東京や世界を目指し、地元の雇用を大切にされるお話を聞いて

Think globally act locally 

を思い出したところです。

これからも、日向の魅力発信をします。


今回は、ここまでにします。

次回をお楽しみに。





2024年6月23日日曜日

今の中学生や保護者が未来をどう予測しているか

 自分の生まれ育った場所を地元(じもと)と言ったり、故郷(ふるさと)と言ったりします。

正しい言葉の定義は分かりませんが、「故郷」は愛着や懐かしい記憶を甦らせます。

東日本大震災が起こった時、惨状を前に被災者が「故郷」を唄っている映像が流れました。

覚えている人も多いのではないでしょうか?

我が日向市も、かけがえのない愛すべき故郷ですが、人の流れは外に向いています。


アンケートによると

日向市が好きだと答えている中学生は8割を超えますが、

将来、日向市で働きたいと考えている中学生は3割程度です。

興味や関心が都会に向くのが若者だとは思いますが、強烈な数字です。

問題は、保護者の意識です。

4分の1の保護者しか、わが子の地元就職を望んでいないのです。

数字だけ見ると地元離れが進みそうです。


しかし、地元に就職先がないわけではありません。

今日も日向ひまわり支援学校で行われた中小企業家同友会県北部支部の意見交換会では

人手不足が取り上げられていました。


働く場所はある。

生活に便利な街でもある。

ただ、他の地方都市と同様に、漠然とした未来への不安を持っています。


人の流れを強制的に変えるわけにはいきませんが

せめて、「故郷」の魅力的なエネルギー溢れる人材に会わせ、

我が町を「故郷」と感じさせることが、解決策の一つになるはずです。


「故郷」への愛着がない人が、未来の「故郷」をささえるはずはないですから。


人手(仕事を成立させるための十分な労働者)不足問題も

人材(特定分野における専門的なスキルや資質を持った労働者)不足問題も

「故郷」を刻ませることが、近未来への備えかもしれません。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに





2024年6月19日水曜日

日向市の誇り 協力事業所の会

 これまでのブログで、中学生が外の世界を知ることの大切さを何度も述べてきました。

しかし、受け入れる事業所さんにとっては、

・怪我をさせたら大変だ

・やんちゃな子が来たときは、どう対処すればいいだろう

・気の弱い子が初日だけで来れなくなったら大変だ

・なにより本業の支障になるかも

など心配の種はいくらでもあります。

 しかし、日向市のほとんどの事業所さんは、快く中学生を受け入れてくれています。

そして、マルイチの高木会長を中心にし

「協力事業所の会」

なるものが存在します。

単に、中学生を受け入れるのではなく、受け入れのプログラム内容を工夫し、

受け入れ事業所間の情報交換をし、中学生の学びを深めることに協力してくださいます。



また、「協力事業所の会」に入会していなくても、地元中学生の受け入れに積極的な事業所様も多いのが現状です。


ある経営者に話を聞くと、

「もちろん、将来の日向市の担い手になってほしい。しかし、そんなさもしい気持ちで受け入れているのではない。人づくりは社会全体で行うべきものであり、我々もその一翼を担っていくだけだ。」

と仰ってくださいました。

有難いお言葉でした。

そういった大人たちに支えられて、本市の中学生は学びを場を得ています。


今回はここまでします。

次回は、その会で出されたご意見を紹介します。





2024年6月17日月曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(7)

 ずっと、自分の世界を広げることの大切さに触れていますが、それは、なぜでしょうか?

理由は、学校という社会が、リアルな社会とは違い、その価値観がすべてだと勘違いをしてしまうのは心配だからです。

もちろん、学校にしかできないことは多く、学校の果たす役割はとても大きいです。

ただ、社会に入る練習期間であり、リアルとは違っているのは仕方のないことです。


現実の社会は、異年齢の相手、所属も様々、毎日顔を合わせる人だけで成り立っているわけではありません。

ですから、学校を出ての社会体験学習やよのなか先生の話を聞くことの意味は大きいと思うのです。


「学校のルールが厳しい。」

という声は昔からよく聞きます。

ただ、先生も保護者も生徒も、そのルールが何のためにあるのかを深堀出来ずにいて

納得感が薄かったのかもしれません。


しかし、ルールには目的があるはず

それを、社会人から聞くことが大きな学びにもつながります。


リアルな社会でのルールの一例に

「点検作業の時は、必ず主電源を切り、安全レバーを固定する」

というのがあったとします。

そのルールを守らなければ、

・大切な従業員が大けがを負う

・事故機械の検査、補修で事業所の営業が止まる

・事故関連での製造がストップして納入先に迷惑をかける

・会社としての信用を失い事業継続が危うくなる

といった悲劇を招きます。


こういった事業所でルールを学ぶと

そのルールが守っているものが見えてきます。


連絡や報告も含めて、社会のルールの厳しさや意味を学ぶには

学校の外での経験が大切です。


ルールを守ることを学ぶのではなく、

なぜ、ルールがあるのかを学ぶことができるからです。


だからこそ、外で学ばせたい。

それも本市のよのなか挑戦の目的です。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。



2024年6月16日日曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(6)

 自分の限定しないことが、将来の仕事への道を広げるという話を前回しました。

次は、自分が当然だとか、普通だとか思っている枠を広げることの意味についてです。

次の物語を聞いてください。


 子供が大好きな父親のAさん。

今日は、約束通り息子のBちゃんをキャンプに連れていきます。

Bちゃんの喜びようと言ったら大変なものです。

休日のたびに遠出をしている親友のCさんをいつも羨ましく思っていたからです。

前日からの準備は万端、キャンプ場を目指す車中の会話も弾みます。

ところが、信号無視をした若者のスポーツカーが猛スピードでぶつかってきたのです。

事故現場は、目を覆う惨状

運転していた父親のAさんは、残念ながら搬送中の救急車の中で息を引き取りました。

息子のBちゃんも瀕死の重傷。

ようやく運ばれた病院の手術室で、Bちゃんを見た執刀医は凍りつき、

「この子の手術はできない。冷静な判断ができない。」

と言いました。

そして、絞り出すような声でこう続けたのです。

「この子は、私の息子だから。」


となりませんでしたか?

そう、この執刀医は女医さんです。


私たちは無意識のうちに性別と職業を結び付けています。

そして、自分の社会観を狭めています。


自分にとって「普通」は、狭い世界なのです。


だからこそ、中学生には性別や職業を結び付けて考えることから抜け出てほしいのです。


今回は、ここまでにします。

次回をお楽しみに。

2024年6月12日水曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(5)

 本当の自分は、自分でも分からない。

「ジョハリの窓」

をご存じでしょうか?

①自分も周りも知っている自分

②自分だけが知っている自分

③周りだけが知っている自分

④自分も周りも知らない自分

の4つの側面で個人はできています。

自分だけが知っている自分は、限られた自分です。

その自分は、妙に過小評価したり、過大評価したりすることもあり、

周りから見ると、

「あの人は、いつも偉そうな態度をとっているけれど、たいしたことないよね」

と陰口を言われたり、

「あの人は、不安そうにしているけど力があるのよね」

と残念がられることもあります。

 自分の器を大きくする上でも③を教えてくれる周りの人はとても大切です。

 問題は、④の自分です。

この④の自分は、新たな挑戦や環境でしか顔を出しません。

どれだけの広さがあり、深さがあるのかも分からないですが、

言い換えれば宝の山です。


人の好きと得意は違います。

好きは毎日やっても、長時間やっても心地よいもの。

得意は、短時間で効率よくやれるもの。

私などは、飽きもせずにゴルフの素振りを家の中でやりますが、

コースに出ると散々の結果。大好きなゴルフなのに、、、。

ところが、あまり練習はしていないのですが、玉ねぎを薄くスライスする包丁の技術はあります。

(だからと言って玉ねぎを切ることが好きでたまらないわけではありません)


これは未来の仕事を考えるときにも大切な視点です。

好きを限定せずに、いろんなことに挑戦すると得意に出会えるかもしれません。


ところで、成績が伸びる子の特徴として、ずいぶん前の調査で

・一人で電車の切符を買える

・食事の注文を自分でできる

・恥ずかしがらずに聞き直すことができる

などが挙げられていました。


前回と話がかぶりましたが、要は自分を殻に閉じ込めないことです。

繰り返し、日向の子供たちに伝えます。


今回は、ここまでにします。

次回をお楽しみに。



2024年6月11日火曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(4)

 美味しい人生は、多くの知識や経験と、それを生かす多様な考え方が大切。

でも、それは、現代だけの話ではありません。

縄文時代には、屈強な男たちが動物を捕まえますが、これとて、少ない知識では獲物にありつけるわけがありません。

刃先についているのは黒曜石

ガラス質で鋭利なものが重宝されたのでしょう。

単なる体力勝負ではなく、使う道具の知識が大切だったことを物語っています。

しかし、狩りの多くは罠

動物を追い詰める方法は、集団戦

風向きを考え、地形を生かし、役割を分担していたはずです。

多くの知識や考え方が生かされて成否が決まっていました。


現代の仕事は細分化されていますが、基本は同じです。


ですから、中学生が社会体験学習をする際は、その仕事がどんな人たちとかかわって成り立っているのかを学んでほしいのです。

そして、一歩踏み出した経験をすることが大切です。

それが、社会を知ること

限定された仕事の手伝いで終わるのではなく、その仕事の意味を考えられる体験は宝です。

そのためには自分を決めつけてはならない。

まだ、中学生なのです

可能性の塊

進むべきフィールドは広がっているのですから。


そんな話をしました。

今回はここまでにします。


次回をお楽しみに。



2024年6月10日月曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(3)

 前回、多様性が大切だ、日ごろ接しない人とも関係を築き、自分を磨くことが成長につながる話をしました。

今回も、多様性について少し掘り下げます。

前述の出口さんの講演を参考にして、

「美味しい料理をまずい料理はどちらが良いですか?」

と中学生に問いました。



ほとんどの生徒が美味しい料理が良いと答えました。

そして、美味しい料理の条件を生徒に聞くと

・温かい

・家族と一緒

・肉や魚

・味付け

などの答えが返ってきました。

その中で、私は材料と調理法を取り上げました。

全く同じ単一の材料ではなく、多くの材料がある方が美味しい。

しかも、煮たり焼いたり蒸したりと料理法もバラエティがあった方が美味しい。

次に、

「美味しい人生とまずい人生では、どちらがいいですか?」

と問いました。

もちろん、生徒の答えは、美味しい人生


では、料理における材料と調理法は、人生では何でしょう?

材料は、知識や経験

料理法は、考え方


ですから、美味しい人生に行きつくためには、限定された知識や経験、考え方だけではなく、

自分ののりしろを超えた試みが大切です。


日本に昔からあった抹茶

明治になって入ってきたアイスクリン

決して相容れそうにない2つのものを結び付けて抹茶アイスは誕生しました。


新しい可能性は、限定された知識ではなく、遠く離れた知識を結び付けることから始まります。


中学生の社会体験も同じです。

自分の興味を社会体験で深堀するのも意味がありますが、成長過程の生徒には

一歩踏み出した知識や経験を得てほしいのです。


ですから、こんな話から始めていきました。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。


2024年6月9日日曜日

財光寺中学校でのキャリア教育(2)

 APU アジア太平洋大学の元学長の出口治明さんは、人生を豊かにする3つの宝を

「人」「本」「旅」

と強調されています。

戦後の高度成長社会の時代は、がむしゃらに一致団結して働くことが良しとされていました。

追いつくモデルのアメリカがあったから、それでよかったのでしょう。

懸命に働いて、残業もこなし、そのあと先輩に誘われて、仕事のコツも愚痴も聞く。

上司が飲み会に参加すれば、気を利かせて

「ここは、課長のあの歌で絞めてもらわないと、場が収まりません」

と十八番の歌を毎回勧めて、同じように終わる。


せっかく大学まで学んだある新入社員が、気づいたのだそうです。

自分は、この1年で1mmも成長していないと。

このままでは自分の成長は止まると。


そこで、彼がとった行動は

職場の夜の付き合いをやめて、その時間を自己投資(勉強)することです。


飲みに行くにしても違う関係性の人と行くことにしたのです。


同じ関係性の中にいると決して聞けない流行の歌やビジネスの話が聞けることに気づいた彼は、仕事でも創造的な取り組みを生み出したようです。

つまり、多様な人との出会いが彼を変えたのです。


中学生にとって、日頃の集団から一歩抜け出して、社会の集団に入る体験は少しハードルが高い。

しかし、そこを超えることが何よりも大切です。

現代は、多様性の時代と言いながら、異質の集団や違う価値観に触れることを避けるのは

自分の可能性を狭めることになるからです。


この大切さをどう伝えたかは、次回のお楽しみ。

今回はここまでにします。



財光寺中学校でのキャリア教育(1)

 5月末に財光寺中学校でキャリア教育の研修をしました。

対象は、中学校2年生です。

彼ら彼女らは、これまでに職業調べをして、気になる業種については少し学びを深めています。

ネットや紙資料で表面的な理解が少し進んだ状態です。

今回私が呼ばれたのは、これから行う社会体験研修(実際に職場に行っての研修)を充実させるためのものです。


この講話で、始めに行ったのは、私と生徒たちの人間関係作りです。

一緒に学びあう人の人間関係をスムーズにしておかなくては、学びの効率は落ちます。

大人だって初めての人から話を聞くときに、緊張します。

ましてや質問に答えるのは至難の業。

仲間の前で、しかも初めて講師の前で恥をかきたくありませんからね。

ですから、私は、話を始めるときは、相手が大人であれ、保護者であれ、小中高生であれ、

親和性を高めるワークショップを行います。

 この人の話を聞いてみようかとか、友達の前で間違っても平気だというような雰囲気作りはとても大切です。

 その日の講義を左右するとも言えます。

(心理的安全性を高めることの大切さはエイミーエドモントンが実証しています)


今回は、リズム打ちで、始めました。

トントコトントン、トトトトトン

みたいな感じです。

音で合わせたり、ジェスチャーで合わせるのは効果的です。


少し心が開いたところで、話を始めました。

今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。


2024年6月3日月曜日

便利さと忙しさ

 

前回、現代の人手不足について触れました。

人手がなくて済むように機械化を進めてきたはずなのに、なぜか人手不足です。

買い物に行けば、バーコードで自動清算、駐車は無人料金所、誰とも会話をせずに用事が済みます。

飛行場でのスーツケースの預け入れも自動化、高速道路はETC

 

しかも、見えない分野でも人手不足がおきています。

昔は、商品を棚に並べるのが普通だったのが、ネット通販では画面に商品がきれいに並んでいます。


デジタル人材不足が報道されていますが、すぐに充当はできません。

高度なスキルや資格、経験は、すぐに身につくものではないのでしょう。

しかも、技術は日進月歩ですから、自分のスキルを磨かなければ置いて行かれそうです。

 

ですから、学び続ける人が重宝されるのでしょうね。

 

学校でも学ぶ意味を考えさせなければなりません。

成績とか提出率はあくまでも手段。

目的は、学び続けようとする姿勢を育てること。


手段ばかりを重視すると、友達のノートを丸写しして宿題を提出してもOK。

しかし、それでは未来への力は育ちません。


キャリア教育では、この根っこを大切にします。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。

財光寺中学校3年生 よのなか教室(3)

 さて、財光寺中学校よのなか教室での講師3人目は、 日向市消防本部 消防 2 課通信指令係長 菊澤 聡仁さんです。 大王谷学園のPTA会長をされた経験もあり、地域のため、人のために力を尽くすことを 厭わないエネルギー溢れる方です。 今回は、よのなか先生として財光寺中学校に登場です...