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2025年6月2日月曜日

個別最適の学習と集団

最近は、大手の予備校や家庭教師塾などが個別の学びを推奨しています。

確かにネット環境があればAI学習と凄腕先生の授業が受けられますから、都会でなくてもその恩恵は受けられます。

なにしろ、生成AIで管理された学習は、英単語問題では20個くらいが出題されて、覚えていないものは繰り返し問われるけれど、一回目から答えられた問題は、まとめの100問テストの時にしか出てきません。

さらに、1週間後に、なかなか覚えられなかった単語だけを問うてくるのですから大したもんです。

ですから、覚えていないものを確実に習得できるわけです。

また、凄腕の授業内容も、自分がすでに分かっているところは早送りをし、どうしても分からないところを繰り返し再生できるのですから、本当に便利です。

これを日常の授業でやるとなると限界があります。

そもそも早送りをしたり、繰り返し再生させたりする場面は個人によって違うのが当然ですから。

新たな技術は、地方にいる私たちだからこそ、どんどん使いたいものです。(英単語を覚えるのに役立つ無料アプリも結構あります。)


ただ、思考を問うたり、探究したりする学習は、個別学習でいいとは思えません。

数学で言えば、ただ答えが正解であるのではなく、

・正確

・誰がやってそのやり方が成り立つ

・簡単

にできる方法へのたどり着き方を学ぶのに意味があります。

人間は、個人の知恵だけではどうしても乗り切れない問題に直面します。

その時は、ほかの人の考えと自分の考えを、互いに納得できる物差しで比べるしかありません。

時には比べるだけではなく、互いの良いアイデアを組み合わせることもできます。

なかなか考えを出せない人への助言や待ってあげる社会性も鍛えられるでしょう。

そういった学びの経験が、将来の生きる力を育むのですから。


参観日の視点として

ご自分の子ができない場面に遭遇しているとき、

・ただ待っている

・教科書やノートを振り返り始める。

・隣の子どもに聞きまくる。

・先生に尋ねる

かを見てあげてください。

集団で学ぶ場面では勉強ができるかどうかより、集団で学ぶよさを身につけようとしているかが大切ですから。


個別最適の学びと集団での学び

良いとこどりをしたいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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