故郷には買い物難民となってしまっているお年寄りが多いと気付いた主人公が、あっさりと都会の仕事を辞め、軽トラックでの移動販売をするお話です。
宮崎県民にとって他人ごとではありません。
免許を返納したり、体の不具合で運転ができないお年寄りはわが故郷にも多いからです。
その物語の一部分が今も残っているので紹介します。
それは、たまちゃん(主人公)を応援していたおばあちゃんが死期を悟った場面です。
自分の体の変調から、死期を悟ったおばあちゃんは、淋しさが増していくのですが、なぜか悲しさを感じず、何かに慶ばれ、祝われているような気さえしてきます。
そこに、こんな表現がありました。
寿命
命を寿(ことほ)ぐ
命が最期を迎えるというのはおめでたいことなのだ。ああ、ありがとうございます。
なぜか、ふと両親とご先祖様に感謝の念を抱いた。
すると、母の胸に抱かれていた赤ん坊のような安心感に包まれて・・・
お迎えが来たのなら、ここに残していくみんなを心配させないよう、この世という奇跡に満ち溢れた素敵な旅先から、ちゃんと「帰ろう」と思った。あちらの世界に、「行く」のでも「逝く」のでもなく・・・
8月は広島、長崎、終戦記念日を迎えます。
現代でも意図しない形で命を落としてしまうことはあります。
みなが、命を寿ぐかたちで、一生を終えられるようになるといいなと願うばかりです。
来週はお盆ですね。
ちゃんとお迎えしなくては。
今回のお話はこれで終わります。
ブログはお盆明けに再開します。
次回をお楽しみに。
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