「苗半作」という言葉があります。
よい苗を作ることができれば、仕事の半分が終わったことを表現しています。
人間に例えるなら、幼少期が大切だということです。
慶応義塾大学の中室牧子教授も
費用対効果を考えると、子供への投資は大学受験期ではなく、
幼少期にするべきだと言っています。
しかも、国語や数学などではなく、「自制心」を育てることが大切だと。
それを証明するために、アメリカで行われた実験を例に出しています。
実験はこうです。
① 4歳児に1個のマシュマロを見せて
「すぐに食べてもいいけれども、お母さんが部屋に戻ってくるまで
我慢できたら2つあげるよ」と言って部屋を出る。
② 15分後にお母さんが部屋に帰ってくるまで待てるかを調べる
その結果、何とか誘惑を振り切り、15分を待ってマシュマロを
ゲットした子どもは全体の約3分の1だったそうです。
やっぱり、小さな子にとって我慢は難しいことです。
マシュマロを待てるかどうか大したことのないように思いがちですが
結果は衝撃的でした。
その後の追跡調査で分かったのは、我慢できた3分の1は
仕事で成功したり、健康管理がうまく出来ていたのに対して
我慢できなかった3分の2は、難しい人生を歩む率が高かったのです。
今の子供たちの多くは、6(シックス)ポケットの中にいます。
両親の2ポケットと、父方の祖父母の2ポケット、母方の祖父母の2ポケット。
そのポケットにはお金が入っていて
子供たちが何か欲しいものがあると、半年もしないで手に入るのだそうです。
このことからも「自制心」「我慢」を鍛えるのは難しそうに思えます。
しかし、実社会においては、自制心は必要です。
家庭も小さな社会ですから、役割と責任を持たせて続けさせる「お手伝い」を
見直す価値がありそうです。
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