先週、デンマークの文化翻訳家ニールセン朋子のお話を聞く機会を得ました。
日本人の半分の時間しか働かないのに、収入が2倍の国デンマーク。
その繁栄には、何か秘密がありそうです。
今回は、教育に絞って、私の感想を交えながら紹介しますね。
デンマークで「森の幼稚園」というのがありますが、まずはその話から。
日本では、公園のブランコで園児が仲よく遊ぶ時、未然にトラブルを回避するために
「みんな5回ずつこいだら交替ね。」と先生がルールを決めてしまうことがあります。
そうすると、10回くらい漕ぎたい子、そもそもブランコはしたくない子、二人ペアで乗りたい子など、個別の思いが脇に置かれた形で遊びがスタートすることになります。
しかも、何らかのトラブルがあった時も、その解決に先生が関わることになり、自分たちで話し合って決めたり、解決したりする力を育てらないことが生じます。
デンマークでは、毎回毎回、話し合いながら子ども達がルールを決めていきます。
ですから昨日は5回ずつでみんな納得したのに、今日は10回ずつにするといったルール変更も簡単です。人間って、その日のモチベーションは違いますから、昨日は5回でいいと思っていても今日は10回したいなんてことはありうる話ですから。
しかし、子どもですから、やっぱりトラブルは起こります。
そんな時は、徹底的に話し合うのだそうです。
「自分は、○〇までなら譲れるけど、君はどこまで譲れるの。」
いったん、自分の最大の思いを相手に伝えた上で、そこから互いに降りて行って合意形成をする。
これを幼稚園の時からするのですから、民主主義の力は育ちますよね。
多数決はしないのですか?
の私の問いに、ニールセンは答えます。
「最後の最後の手段であり、徹底的に合意形成の努力をすることが前提です。」
なるほど、国民に考える力がつくわけです。
さて、幼稚園児がトラブルを解決できず、最終的に先生に頼ってきたらどうするか?
先生は、それぞれの立場の状況説明を求めます。感情を抜きにして事実を並べさせるのです。
そして、先生は事実を確認します。
もちろん、双方を否定することはありません。
明らかになった事実から、折り合えるところを相談させるのです。
この作業は時間がかかりますが、こうした育ちの上で生きる力が身についていくのだと感心させられました。
今回のお話はここまでにします。
次回をお楽しみに
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