「てぶくろ」という絵本がります。
降りしきる雪の中に落ちていた温かそうな片方だけの手袋を舞台とするお話です。
始めにその手袋を見つけたのは、ネズミさん。
自分のすみかにぴったりの大きさで、温かくて居心地抜群です。
なぜかそこに現れたのは、カエルさん。
ネズミさんは、手袋の中で少し体をずらしてカエルさんを入れてあげます。
しかし、次にやってきたのはウサギさん。
入りそうにありませんが、何とか中に入れてあげます。
そして、オオカミや猪も
何と最後はクマまでが潜り込むのです。
中にいる動物たちが、少しずつ場所をずってあげて不可能を可能にしてあげます。
「大きなかぶ」という絵本もあります。
大きな株を抜くのに、おじいさんだけでは無理なので、そのおじいさんをおばあさんが引っ張ります。
しかし、おばあさんの力でも無理で、そのおばあさんを孫が引っ張るのですが、それでも無理です。
そこで、孫を犬が引っ張って、犬を猫が引っ張って、猫をネズミが引っ張って
ようやく大きな株を抜くことができるお話です。
手袋のお話は、譲り合って温かさを皆で味わえるお話
大きな株のお話は、いろいろな個性のものが協力して物事を成し遂げるお話です。
実は、「てぶくろ」はウクライナのお話
「大きな株」はロシアのお話です。
今は、不幸なことに対立している両国ですが、「てぶくろ」の気持ちや「大きな株」の気持ちがよみがえり、この寒さの中で震えている人たちに、「温かさ」が届くといいなと願います。
今、簡単に多数決をして少数を犠牲にする考え方は、多様性の否定とも言われています。
時間はかかるけれど、しっかり互いの考えを尊重し、折り合える着地点を見つける合意形成の経験は、キャリア教育の視点からも大切です。
それが、国レベルでも個人レベルでも争いをなくす唯一の方法だからです。
今回のお話はここまでにします。
次回をお楽しみに
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