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2025年2月16日日曜日

やめよう! 見せかけの学習

家庭でやる学習を、宮崎県では「宅習」と呼んでいます。

この宅習ですが、時々、全く効果のない無駄な学習時間になります。

それは、「目的」が、曖昧だからです。

忙しい学校では、宿題や宅習をやったかどうかだけのチェックで精いっぱいです。

できなかったことに取り組んだかとか、覚えていないものを覚えようとしたかまでを要求しません。

ですから提出義務だけをクリアするのなら、自分の分かるところだけさっさと済ませればOKなのです。

しかし、残念ながら、これでは実力は全く上がらい無駄な時間です。

やってもやらなくても実力に大差が出ないならモチベーションが上がるわけがありません。


私は、家庭学習帳を数十年にわたり、チェックし、助言をしてきた経験から、次のノートに可能性をあまり感じませんでした。

・授業中のノートをそのまま書き写し、美しくラインを引いたり、文字に色付けしている。

・問題集の問題ごと写して、ノートは沢山使っているが、結局、数問しか解けていない。

・びっしりとノートを埋めるような学習をしているが、漢字も含め知っていることや覚えていることを何度も繰り返している。

やっている本人は1時間もかけて完成したノートが出来上がれば、やった気にはなるでしょうが、残念なことに力はつきません。


そこで、効果的な学習を続けて、実力を伸ばした女子中学生の例を紹介します。

その生徒の学習法は、付箋を上手に使うものでした。

学校で買った問題集を毎日コツコツやるのですが、間違った問題に印をつけて、そのページの上に外から見えるように小さな付箋を貼っていました。

その生徒は、間違った次の日に必ずその問題をやり、問題の横に小さな〇を書いていました。

そして、次の日も、日々の学習に加えて、その付箋のついたページの自分が間違った問題をやって、二つ目の〇を付け、間違えずにできるようになったら、ページの付箋を外していたのです。

ですから、彼女の問題集にはいつもたくさんの付箋が張られたり、剝がされたりしていました。

しかし、自分ができない部分を繰り返しやるわけですから、確実に力が付きます。

そして、試験前になると、その問題集をめくって、できなかった問題を見て、すぐに答えや解法が思い浮かぶかをチェックし、思い浮かばないものだけを復習していました。

中学2年生の生徒

よくもまあ、こんな効率的な学習を、しかも継続的に続けられるものだなあと感心しました。

彼女には、しっかり結果につながる手ごたえがあったのでしょう。

卒業時までその努力を続け、確実に力をつけていました。

「もう少しで思い出すのに」

「覚えていたのに」

といった残念な状態にならなかったのは、彼女のそんな努力のたまものでした。


家庭学習なんて、学校や先生のためではない。

見せかけの学習で提出のノルマを果たす学習からの脱皮が望まれます。


これは、実社会でも同じ

仕事をした振りでは、技量は上がりませんからね。


今回のお話はここで終わります。

次回をお楽しみ。

前回はこちら




2 件のコメント:

  1. この歳に成ってもこれが出来てません。やってるつもりになってます。地味だけどコツコツと積み重ね蓄える。一つひとつ潰していく。問題解決能力が高い生徒さんですね。そして○が増える楽しみを感じるながら、自己肯定感も高まる学習法ですね。社会という大海へ出ても地道に乗り越える力です。ブログを楽しみに拝読してます。😊

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    1. コメントありがとうございます。ちょっとした考え方の見直しなどに役立てて頂けたら嬉しいです。

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