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2025年6月9日月曜日

基本が大切

最近は、書き順にあまりこだわりがなくなりましたし、試験でそれを問うことも少なくなりました。

要は、書ければいいし、読めればいいのでしょう。

確かに、日常生活はパソコンで事足りますし、手書きそのものは減っていますから。


しかし、漢字は基本的にカナの組み合わせ

「空」は「ウ」+「ハ」+「エ」でできています。

やみくもに書き順を覚えるのではなく、何で構成されているかを考えると

文字も美しく書けますし、覚えやすくもなります。

学校の習字でも、漢字よりもまず「カナ」を書けるようになることが大切です。


ピアノでも指のキーポジションを無視すると、途端に指が届かなくなるし、

ギターでも、小指で弦を押すのが苦手で逃げてしまうとGコードからCやFへのコード進行が難しくなる。

パソコンでも、基本ができていないとブラインドタッチどころではない。

ある一定のレベルまでの上達は、基本を無視しても望めるかもしれません。

ピアノなど基本無視で、中指だけでメロディーを引いた方が簡単で、5本の指を使う方が最初は難しいですから。

しかし、途中からの上達のスピードは一気に遅滞します。

何が邪魔をするか?

それは、基本を無視しして体得した自分の癖です。


基本はすんなりと体得できないことがあり、面倒くさいこともあります。

小さな子にとっては「イヤイヤ」の原因になるでしょう。

自由に弾きたいのに縛られた感じがしますから。


ただ、基本無視の自由が不自由を連れてくるのは確かだと思っています。


キャリア教育では、どの仕事をしていく中でも、基本となる能力や態度を子供たちに考えてもらいます。

基本を無視した不自由の未来に飛び立たせないために。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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自意識と成長

 以前、中学校の女生徒が眉をいじっていたということで、部活停止を主張する職員がいました。

中学校職員としては、規律を重視しなければ部活はできないと信じているわけですから、

「眉をいじるとは何事か!」

になるわけです。

しかし、思春期の女生徒が自分を意識し始める時期に、やみくもな禁止が本当に正しいのかは疑問です。

ましてや、男性顧問に

「私は眉毛が濃いので、少し切っていいですか?」

なんて恥ずかしくて言えるわけがありません。

美容室に行って前髪の長さを数ミリ単位で美容師に依頼し、自分の「かわいい」を考えているのに、一律禁止は納得解になりえません。

そもそも、第二次性徴による体の変化は自分で制御できません。

確実に大人への変化が始まります。

それに伴って精神も変化し始めます。

起きたままの髪の毛で登校するのが普通だった子が妙に鏡の前から動かなくなったり、

異性にときめいたり、

それは当たり前の変化であるのに、昔の学校は

「色気づくな」

と心の変化をよしとしない風潮があった気がします。


小学生が縄跳びや一輪車を始めると、

「先生!見てて」

と自分の成功の瞬間や成長を認めてもらいたがります。

しかし、思春期に入ると見てもらうことから、どう見られるかが大切になります。

その当たり前の心の成長を認め、集団生活を行う上でのルールを一緒に考えられるとよい気がします。


決まりを変えた経験がない若者は、ルールを変えたり提案したりすることを躊躇するのは当たり前。

若者の投票率の低下、政治への無関心


は大人が作ってきたのかもしれません。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

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2025年6月4日水曜日

憧れの長嶋茂雄

 一昨日、長嶋茂雄さんが鬼籍に入られました。

ご冥福をお祈り申し上げます。

次々に一世を風靡した人が亡くなっていかれると、自分の船も近い気がします。

このニュースに際し、友人から

「俺の子どもの頃は、背番号3の寝巻き(今で言うパジャマ)だったけん。」

「家族みんなで見ていた野球中継では、長嶋が必ず打っとたばい。」

と皆タイムマシンに乗って昔に戻った感じでした。


熊本の天草で教員をしていた友人は、長縄のギネス記録を達成した時に

長嶋監督から激励の言葉と色紙を頂いたそうです。

その時、「ギネス記録達成おめでとう 長嶋茂雄」の色紙とともに

「先生って素晴らしいですね。」

と励ましの言葉を頂いたことが一生の宝だと言っていました。


今から考えれば、家庭1台のテレビでチャンネルも少ない時代は恵まれてはいなかった。

ただ、家族全員で喝采したり、ガッカリしたりする時間を持てたのは豊かだったのかもしれません。

プロ野球中継のために家族の食事時間が決められ、子どもはさっさと風呂に入らされていました。

つまり、家族のそれぞれが都合を合わせていていたのです。

ところが、スマホの普及で今や画面は1人1台

しかも、見逃し配信やダイジェスト配信があり、別に時間も気にならない。

家庭でも都合を合わせるということ自体が減っている気がします。


早く入れとせかされた時代のお風呂は五右衛門風呂 

言うことを聞かないとお湯はぬるくなる

さっさと食べろと言われていた食事

電子レンジがないので冷めてしまう


不便は家族みんなで都合を合わせることで乗り切っていました。

そして、この都合を合わせるということは社会性を育てていたのかもしれません。


自分の都合を優先させるための、相手の都合を100から0にするやり方ではなく

自分も我慢して80にするから、相手にも80で我慢してもらうような社会性がもしかしたら育っていたのかもしれません。


今回のお話はこれで終わります。

冷えたビールをぐっと飲み干す親父、

今と比べると糖度の低かったスイカを頬張るおふくろ

家族みんなが涼めるように扇風機を回し、小さなテレビ画面で活躍する

長嶋茂雄を食い入るように見ていたセピアの世界を思い出しながら


次回をお楽しみに

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2025年6月3日火曜日

親とは勝手なもの

 昨日は、財光寺中学校のよのなか挑戦前講話の内容を紹介しました。

その中で、生徒が、給料が高くて、苦手なことではなく、皆が優しく、定時に帰れて、クビにならない仕事に魅力を感じていることに触れました。

随分、調子のよい条件だなとは思いますが、親も変わらないのではないでしょうか?


自分自身もその矛盾に今頃気付いているのですが、

親として我が子に勉強を頑張れと励ましておいて、大学の講義が難しいと聞けば、

「もっと、講義内容を易しくしてくれたらなあ」

と思ったり、就職して仕事が大変だと聞くと

「もっと、楽な仕事だったらなあ」

と健康を心配したりします。


そうなると、小中学生の我が子を励ましたのは、将来楽になるためであって、能力を発揮するためではなくなります。

一生懸命勉強させておいて、大人になったら苦手なことをせず、楽を選び、組織からあまり必要とされない会社に入ってほしいと願っているようなものかもしれません。

ただ、そんな人材をいつまでも余裕で雇える会社はないはずですが・・・

本当に、親の気持ちは矛盾だらけです。


ただ、昔から言われているのは

子を背負って川を渡る親より、手を引いて水の怖さを体感させながら渡る親の方が子は育つと言われています。(私はすぐに手を出しがちで反省しています)


今後、日向市の14歳のよのなか挑戦で生徒を受け入れて下さる事業所の方にも

井戸の水を飲ませる経験よりも

井戸の掘り方を学ぶ経験をお願いしたいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

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2025年6月2日月曜日

中学生の反応(財光寺中学校)

先週は、市内の財光寺中学校でキャリア教育についての講話をしました。

法律が変わって18歳で成人ですから、彼らにとっての4年後は大人です。

自分でできることも増えますが、裏を返せば子どもだから許されていたことが大人として扱われるわけですから、責任も伴うようになります。

中学生は、何となく不安もあるるけれど、漫然と日常を過ごしても大丈夫な気もするでしょうが、4年はあっという間にやってきます。

準備しようがしまいが、時間は確実に流れますから。


さて、子どもたちに就職条件にあてはまるものを答えてもらいました。

私が示した条件に大きく当てはまるなら、力いっぱいの拍手を

少し当てはまるなら小さな拍手で表現するやり方です。


・給料が高い・・・・・会場いっぱいの大拍手

・残業がない・・・・・大きな拍手

・リストラされない・・中くらいの拍手

・職場の雰囲気が良い・・大きな拍手

・好きな仕事・・・・・大きな拍手


つまり、給料が高くて、苦手ではなく、皆が優しく、定時に帰れて、クビにならない仕事です。

中学生らしい反応ですが、この選択肢はちょっとした意図があります。

それは、全部自分の資質や能力とは無関係で、他人様頼みの選択肢だからです。


そこで、報酬は誰かの有難うから発生するのだから、自分の能力や資質、態度を磨かないと、その仕事を任せてもらえないという話をしました。

中学生は、これから様々な職場での社会体験に出発します。

①経験させてもらう仕事は、誰の有難うをもらう仕事なのか

②その仕事に必要な能力や態度は何なのか

③その仕事は、どんな仕事の人たちと協力して成り立っているのか

を探ってきてほしいと願っています。


自分の興味のある仕事だけではなく他の仕事にも目を向け、自分の社会観を広げ、未来に向けて自分を磨くエネルギーをもらって帰ってこれたら最高です。


財光寺中学校の生徒の皆さん

頑張っていってらっしゃい!


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

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個別最適の学習と集団

最近は、大手の予備校や家庭教師塾などが個別の学びを推奨しています。

確かにネット環境があればAI学習と凄腕先生の授業が受けられますから、都会でなくてもその恩恵は受けられます。

なにしろ、生成AIで管理された学習は、英単語問題では20個くらいが出題されて、覚えていないものは繰り返し問われるけれど、一回目から答えられた問題は、まとめの100問テストの時にしか出てきません。

さらに、1週間後に、なかなか覚えられなかった単語だけを問うてくるのですから大したもんです。

ですから、覚えていないものを確実に習得できるわけです。

また、凄腕の授業内容も、自分がすでに分かっているところは早送りをし、どうしても分からないところを繰り返し再生できるのですから、本当に便利です。

これを日常の授業でやるとなると限界があります。

そもそも早送りをしたり、繰り返し再生させたりする場面は個人によって違うのが当然ですから。

新たな技術は、地方にいる私たちだからこそ、どんどん使いたいものです。(英単語を覚えるのに役立つ無料アプリも結構あります。)


ただ、思考を問うたり、探究したりする学習は、個別学習でいいとは思えません。

数学で言えば、ただ答えが正解であるのではなく、

・正確

・誰がやってそのやり方が成り立つ

・簡単

にできる方法へのたどり着き方を学ぶのに意味があります。

人間は、個人の知恵だけではどうしても乗り切れない問題に直面します。

その時は、ほかの人の考えと自分の考えを、互いに納得できる物差しで比べるしかありません。

時には比べるだけではなく、互いの良いアイデアを組み合わせることもできます。

なかなか考えを出せない人への助言や待ってあげる社会性も鍛えられるでしょう。

そういった学びの経験が、将来の生きる力を育むのですから。


参観日の視点として

ご自分の子ができない場面に遭遇しているとき、

・ただ待っている

・教科書やノートを振り返り始める。

・隣の子どもに聞きまくる。

・先生に尋ねる

かを見てあげてください。

集団で学ぶ場面では勉強ができるかどうかより、集団で学ぶよさを身につけようとしているかが大切ですから。


個別最適の学びと集団での学び

良いとこどりをしたいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年5月29日木曜日

役立つ学びを

 初めて習った英語の文章は

This is a pen.

しばらくすると

Is this a pen? Yes,It is.

を習いました。

その時は真剣だったので、まじめに、尋ねる文章を覚えました。

しかし、今考えると、何とも間抜けな勉強です。

そもそも、この現代社会に生きている人がペンが分からないことがあるのでしょうか?

私くらいの年齢になると認知のテストで問われそうですが、

中学生ではありえない質問です。

つまり、役に立たない表現。

この役に立ちそうにない勉強の反復は、やる気を削ぎますし、学ぶ意味を勘違いさせます。

学ぶとは自分を高めるものであるのに、学んだアリバイを先生に見せるためのものになるからです。


そうすると、こんな笑い話もまことしやかに広がります。

ある日本のお偉い方であるMさんがアメリカのクリントン大統領を迎えた時のこと

Mさん:who are you?

 (How are you?と聞くはずだったのが、あなたは誰?)

クリントン:I'm Hillary's husband. And you?

 (自分のことを知らないはずはないから日本式の冗談だな。よし、ジョークの質問にはジョークで返そう。「ヒラリーの夫だよ、君は誰?

Mさん:Me,too.

  (あれ、I'm fine thank you.and you?ではないぞ、でも「Me too 私もです」と答えればいいはずだ)

クリントン:?

 (んー?自分もヒラリーの夫だと?)


こんなことがあるはずはないでしょうが、笑い話として成立するのは、何となく日本人の身にならない英語の学び方を想像できるからです。

ただ英語を勉強しなさいでは気持ちが動くはずはありません。

なぜなら、家族も英語なしで日常生活で全く困っていないのですから。

だからこそ、「よのなか先生」に役に立った実感、伝わらなかった悔しい経験などを話してもらい、英語が必要な証拠を示してほしいと思っています。


今回のおお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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基本が大切

最近は、書き順にあまりこだわりがなくなりましたし、試験でそれを問うことも少なくなりました。 要は、書ければいいし、読めればいいのでしょう。 確かに、日常生活はパソコンで事足りますし、手書きそのものは減っていますから。 しかし、漢字は基本的にカナの組み合わせ 「空」は「ウ」+「ハ」...