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2025年9月23日火曜日

お世話になりました。

私事ではございますが、9月末をもって日向市キャリア教育支援センター長を辞任いたします。

着任からちょうど1年半。
その間に発信したブログ記事はおかげさまで250回を超えました。
日々の思いや気づきを綴ってまいりましたので、共感いただけるものもあれば、首をかしげるものもあったかもしれません。
それでも筆を置き、後任にバトンを渡すことができるのは、ひとえに読者の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

実はこの連続投稿のエネルギーは、私自身の「焦燥感」から生まれたものでした。
先の見えにくい時代に、次代を担う子どもたちをどう育てていくかは、親だけでなく社会全体の責任である——その思いを、少しでも多くの方に伝えたいと願ってきました。

30年後の主役は、目の前の10歳の子どもたちです。
だからこそ、未来の主役を市民総出で育てたいと考え、「日向の大人はみな子どもたちの先生」運動を進めてまいりました。

幸いこの1年半で、よのなか教室の形をリニューアルし、学校の先生方の研修にも深く関わることができました。
ただ、この仕組みを維持・発展させるためには、これからさらに大人の覚悟と行動が求められると感じています。

本来であれば、直接お会いしてお礼を申し上げるべきところですが、まずは本ブログにてご挨拶と感謝の気持ちをお伝えいたします。
来月からは立場を変え、引き続きセンター活動を支えながら、子どもたちの未来づくりを応援してまいります。

今後とも変わらぬご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

ありがとうございました。
感謝を込めて

                                                         日向市キャリア教育支援センター長
                                                                                                             三樹 和幸


また、このブログは多くの海外の方にも読んでいただいていましたので、英語でのご挨拶を加筆しておきます。

A Message of Gratitude

At the end of September, I will be stepping down as Director of the Hyuga City Career Education Support Center.

 It has been a year and a half since I took on this role, during which I have shared more than 250 blog posts. Each post captured my thoughts and feelings at the time—some may have resonated with you, others perhaps left you puzzled. Either way, the fact that I can now pass the baton to my successor is thanks to you, my readers. I am deeply grateful for your support.

 To be honest, the energy behind these frequent posts came from a sense of urgency. In these uncertain times, I strongly feel that raising the next generation is not only the duty of parents but of society as a whole. That is what I have tried to express through my writing.

 Thirty years from now, today’s ten-year-olds will be leading our communities. That is why I believe we must all work together to nurture them, and why I have promoted the idea: “Every Adult in Hyuga Is a Teacher for Our Children.”

 Over the past year and a half, we have been able to renew the format of the “Yonanaka Classroom” and take on a greater role in teacher training. Of course, keeping this momentum going will require even stronger commitment from the adults in our community.

 If possible, I would thank each of you in person. But for now, please allow me to express my heartfelt gratitude here. Although my official role will change next month, I will continue to support the Center’s efforts and cheer on all who are working to create a brighter future for our children.

 Thank you once again for your understanding, encouragement, and cooperation.

                                            With sincere appreciation,

                                               Kazuyuki Mitsugi

                                          Director, Hyuga City Career Education Support Center


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2025年9月21日日曜日

大人になれない子ども達

 江戸期の子育てに関することわざで

三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理

があります。

三つまではとにかく愛情をたっぷり注ぐ

六つまでには挨拶、食事、人への接し方を徹底する

九つまでには、他者理解や自己表現のための言葉を増やす

十二までには、読み書き計算などができる。

十五までには社会の仕組みを理解し、自立へと向かう

と言ったものです。


もちろん、社会環境は今と違いますから、そっくり真似するのが良いとは思いません。

ただ、子どもを何とか大人にさせる気概は伝わります。

何しろ15歳以上は成人として扱われるのですから。


さて、今、子ども達は大人への確かな歩みを進めているでしょうか?

陰で、「学校のルールは、おかしいよね」と言いながら

平気でルールを破っていることはありませんか?

そして、それが曖昧なまま見過ごされていることはないでしょうか?


社会で許されないことは、学校でも許されません。

皆が好き勝手に法律を破ったら、社会は混乱します。

学校だって同じです。


校則は守るのが当たり前です。

ただ、納得ができなければ、それを見直す努力が必要です。

自分たちのいる学校という小さな社会のルールに無関心ではなく、関係する人を巻き込んでルールを見直してみることは大切なことです。

学校時代に、自分のいる社会を見直したり、ルールそのものを考えたりしたことがない子どもが、大人になって社会を変えるための一票を投じるとは思えません。


そんな思いがあって、昨年度の日向市PTA研究大会では、市内の各中学校の生徒会の皆さんをステージに上げて、パネルディスカッションを行いました。

それを契機にルールメイキングを本格化させた学校もあったようです。

今回は、さらに発展させた取組(11月8日)を日向市PTA協議会さんが考えています。

大人になれない子ども達が、大人になっていきます。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年9月17日水曜日

財光寺中学校での研修

 先日、財光寺中学校で先生方を対象とした研修を行いました。

今回のテーマは「フツーを疑い、子どもたちの未来をどう支えるか」。

講話のあと、先生方からたくさんの感想をいただきました。

「お話がすーっと入ってきました。
地域の社長さんたちの生の声も聞けて、これから求められる力を深く考えるきっかけになりました。」

「大人の『普通』を押し付けてはいけないと改めて感じました。
子どもたちが自分らしく選択できるよう、視野を広げたいです。」

「生徒の興味を引き出す声かけを意識したい。
社会の変化に後追いするのではなく、先生も最先端を学び続けたい。」

どの感想にも共通していたのは、「子どもたちに広い視野をもたせたい」という願いでした。

学校現場では、知らず知らずのうちに「普通だから」「当たり前だから」と指導してしまうことがあります。でも、その「普通」は、子どもたちにとってはそうではないかもしれません。

そして、その普通は、すでに「陳腐化したフツー」かもしれません。

だからこそ、私たち大人も「フツーを疑う」ことが大切。
一人ひとりが自分の人生を選び、自分らしく生きていくために、学校ができることを一緒に考えたいと思います。

今回の研修をきっかけに、先生方の授業や学級づくりに小さな変化が生まれることを願っています。そして、キャリア教育支援センターとしても、地域の魅力や多様な生き方を伝えるサポートを続けていきます。


ところで、午後の研修で聞くばかりでは、睡魔が襲ってくることは自然現象でしょう。

しかし、睡魔に負けず、いろいろな意見を出してくださる様子に財光寺中学校の職員のチームワークのよさを感じました。

思春期の心が揺れ動く生徒を相手に毎日頑張っておられる先生方が、少しでも目の前の子ども達を良い未来に連れて行こうとしている愛情も感じました。

良い未来づくりが始まりそうです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

2025年9月16日火曜日

日向中学校よのなか挑戦(5)

 日向商工会議所では、昨年度から受け入れプログラムを変更し、起業計画を立てたたり、リサーチや分析をしたりする活動を取り入れています。

3日目は発表でしたが

内容は、日向市内外のサーファーをターゲットにした地産地消ランチでの開業計画でした。

もちろん、日向市の強みや弱みを分析してのアプローチでした。

経営となると仕入れ価格や来客予定数など、しっかり考えないといけないわけで、

単に起業すると言っても学ばないといけないことが沢山あると分かってくれたようです。



SEIKADO さんでは

体験中の中学生の仕事の覚えが良く、指示した作業を上手にこなし

「次は、何をすればよいでしょうか?」

とスタッフに尋ねるほど意欲的でした。
将来、パティシエになりたい夢もあるらしく、楽しく体験できていました。

長年にわたって市内の多くの中学校を受け入れて下さっているだけに生徒への対応もさすがでした。


今回、紹介できなかった協力していただいた事業所は、まだ沢山あります。

虹工房、日向病院、社会福祉協議会、コープ財光寺店、夾竹園、マンガ倉庫、ミツイシ

イオン日向、ミスターマックス、県機械技術センター、藤屋印刷、中村税理士事務所

旭建設、内山建設、日向衛生公社、グローバルクリーン、県北部森林管理署、富高保育園

なないろ保育園、上町保育所、すくすくひなた保育園、富高幼稚園、大王谷幼稚園 様他

多くの方々に支えられ、世の中をちょっと体験できました。


その体験を通して、生徒たちの今日が変わり、明日に向けて伸びることを願っています。

今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。







2025年9月15日月曜日

日向中学校よのなか挑戦(4)

 永寿園では、入所者のアクティビティ支援をしていました。

ひらがなで書かれたことわざの中から、単語を抜き出すものです。

入所者のお風呂(シャンプー)介助も経験できたようです。

家族が他の施設で世話になっていたとしても、介護をする側の体験は初めてでしょうから、事前学習では見つけられなかった発見もあることでしょう。

設計・建設会社のISECでは、作業現場に生徒を連れていき、現場体験をさせてくれています。
ISECの黒木さんには、これまでに大王谷学園や富島中学校の「よのなか教室」でもお世話になっています。

地元の子ども達の未来づくりに協力的な方ですから、その想いを子ども達はしっかり受け取ってくれることでしょう。

メディキット日向は、今回初めて中学生の受け入れをしてくださいました。


微細でクリーンな工場での体験ですから、受け入れるにしても生徒の体験計画や管理は大変だったでしょう。

生徒に聞くと

「医療用器具の工場のイメージが変わりました。黙って仕事をするのではなく、仕事をスムーズに進めるためのコミュニケーションが大切にされていました。」

工場長さんが

「今回は医療機器製造体験の前に、カテーテルがどんな役割を果たすとか、造影は何のために行う医療行為かなどを学んでもらいました。その意味が分かった上での体験です。生徒さんたちは熱心に体験されていますよ。」

と教えてくださいました。
生徒たちは、未来のつながる学びを重ねることができました。

どこを伺っても、素晴らしい受け入れ態勢、質の高い学びが準備されています。

あとは、学校に帰って、どうまとめるか、どう今の生活を変えるかです。

この挑戦の成否はそこにかかっています。

今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに











2025年9月11日木曜日

日向中よのなか挑戦(3)

 和田病院さんでの「よのなか挑戦」

生徒たちは装具をつけて模擬の半身不随体験をしました。

実際に動きづらさや不便さを経験するからこそ、ケアの計画が現実味を帯びてきます。

単なる知識ではないので、具体性があります。

この計画をプロの目から評価していただき、気づけた点、改善すべき点を明らかにし、仕事のやりがいや難しさを味わうことになります。

生徒に感想を聞いてみると、将来医療系を志しているらしく

「とてもためになるし、面白いです。」

と答えてくれました。


続いて、ケーブルメディアワイワイさん


実際に日向市立図書館に取材に行って取材をし、そこでのインタビュー動画の編集をしました。

学校と違ったよりハイスペックなパソコンを使って、音声とテロップ(文字)と音楽を、上手に組み合わせる作業を楽しそうに進めていました。

生徒が製作に関わった番組は

9月12日(金) 18:30~18:45 20:30~  22:30~

WAIWAI NEWS で放送予定です。


マルイチさんでは、初日が農園でのピーマンの収穫作業、それらを惣菜化してお客様に試食提供をしました。

二日目はバックヤードで値札を張ったり、店内でのお仕事を手伝っていました。

マルイチさんは、いつも考えられた研修プログラムで生徒たちに得難い体験を提供してくださいます。

今回は、市内の他店舗が高校生の体験と重なったため、延岡の大門店でも受け入れていただいています。

先頭に立って、地域の子ども達の未来に作りにご理解いただき感謝するばかりです。

今回のお話はここまでです。

次回をお楽しみに。


2025年9月10日水曜日

日向中学校よのなか挑戦(2)

 日向中学校のよのなか挑戦は、日向市役所でも行われています。

市役所は、市民の暮らしに直結したお仕事ですが、その分野は多岐にわたります。

今回は建設部の都市政策課での体験です。

今、地方のインフラ整備・改修は切実な問題

その一端に触れるだけでも、世の中を知る一歩になるでしょう。


次は日向消防署さん

市民の命や安全を守る方々です。

(自分の命を懸けて、危険に挑むことから、アメリカではFirefighter(ファイアーファイター)と呼ばれています。)

現場を肌で感じ、心意気も生徒に伝わったことでしょう


次は、飲食の辛麺桝元さん
お店では、給仕はもちろん、後片付けや、清掃など、頑張っていました。

時に料理よりも態度が評価される業界ですから、笑顔や挨拶は大切でしょう。

友達だけで成り立っている学校と違って、初めてあった人への対応は貴重な体験です。


そして、ルミエール日向さん、ベルフォート日向さんでも

生徒の皆さんが大活躍でした。

担当の方にその働きぶりを聞くと

「始めは、少し緊張気味でしたが、徐々に慣れてきました。真面目に、やってくれています。」

「アメニティー部分の体験をしましたが、丁寧でした。」

と言った話も聞かれました。


実社会の面白さや大変さを体験し、未来に向けて今の学校生活も見直すきっけにしてほしいものです。

今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに





2025年9月9日火曜日

日向中学校よのなか挑戦

まずは、プロのエピソード


伊勢ケ浜保育園で一人一人に寄り添うことが求められる保育士のプロたる所以が分かりました。

園児の持ち物は、ハンカチでもタオルでも名前がなくても分かるとか・・・。

なんとそれは香り

柔軟剤は家庭によって異なるので、その香りさえ覚えてしまうのだそうです。

凄いですよね、どれほど一人一人に向き合っているかが分かります。

まだ、自分のことを十分に表現でいない園児を相手にするプロはさすがです。


次にMFE HIMUKA さん

懸命に機械のさび落としをしていました。

話を聞くと、

「大変だけで楽しい」

と答えてくれました。工場内には機械の大きなパーツが並んでいて

この後、大型のプラモデルのように組み立てられます。

ダイナミックな仕事場

その規模は子ども達によい刺激を与えていました。


グループホーム心愛さんでは

1名がよのなか挑戦にチャレンジしていました。

少し心細そうでしたが、施設の職員さんや入所者さんの言葉かけや励ましが

印象的でした。


今回のお話はここまでにします。

次回をお楽しみに。

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2025年9月8日月曜日

文明と文化(2)

 「よのなか教室」でお話をされる「よのなか先生」のお話を聞いていると、共通項が見えてきます。

それは、常に進化に対応していること。

多分、様々な業種で、日々改善が行われており、昨日までは「特別」だったものが、今日は「普通」になっているからでしょう。

どの仕事も従来のやり方だけを踏襲していては、選んでもらえる存在になれないのだろうと思います。

学生時代は、就職すれば、「勉強は終わる」と考えがちですが、

就職すれば「違う勉強が始まる」だけなのです。

そして、それをサボれば、自分自身が苦労することを私も実感したしたことがあります。


教員になった時、パソコンではなく、なんとガリ版文化がありました。

先輩の先生は、ミニガリ版を持っていて、一列並んでいる子供の広げられた家庭連絡ノートに毎日、通信を刷っていました。

その時代に、買うことを薦められたのが、なんと鉄筆

しばらくすると輪転機なるものが現れて、自分で書いたものが版になり、印刷できるという技術革新がありました。

そして、現れたのがワープロ時代。

最初の頃は数行しか見えないディスプレイで文書作成をしましたし、保存も煩雑でしたが、これまた画期的でした。

次に自分の給料でも買えないくらいのパソコンの時代がってきて、今やスマホやタブレットでかなりのことができる時代になりました。

本当に技術は日進月歩で、戸惑うことがありますが、これからますますその変化の速度を速めるでしょう。

そして、それに対応する努力は大人(親や教師)にも大切なことだと思います。


飛行機に乗る時、手荷物を係の人に預けていたのはつい数年前、今では自動で手荷物を預ける機械がたくさん設置され、待ち時間もほぼありません。

甥が関わっている病院は、WEB上での受付が洗練されていて、医療検査も含めて待ち時間なしで進み、会計まで1時間だそうです。

以前有名になった葉っぱビズネスでは高齢者が上手に市況に応じた受注をタブレットで行っている様子が報じられていました。

一方、スマホやSNSが子ども達に及ぼす悪影響もだんだん分かってきました。


文明は上手に使わなければならないと歴史が教えてくれていますので、全面拒否ではなく、怯まずに試すことが大切な気がします。

明治時代の学校の写真をみると、現在の学校と変わりません。

欧米では20世紀中にホワイトボードと電子黒板に移行しているにも関わらず、日本では黒板とチョークの文化が大切にされています。


次代を生きる子ども達には、日本の文化を大切にする心を育みつつも、文明を生かせる知見や技量を高めてあげたいと思うばかりです。

今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

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2025年9月7日日曜日

文明と文化

教育の世界では、GIGAスクールと言って、より使いやすいデバイス(タブレット)やソフトが一般的になってきました。

家庭でも、都合の良い時間にエアコンを作動させたり、冷蔵庫の中身をカメラで転送して買い物を楽にしたり、家電や電灯を声で起動させたりするIOT技術が進んでいるらしいです。

まさに、第4の文明開化 Society 4.0

しかも、超スマート社会へのSociety 5.0へと急いでいるようです。

効率化は留まることを知りません。

しかし、文化には文明以上の価値を感じることがあります。


自動ドアは便利ですし、配膳ロボットが注文した料理を運んだ方が間違いありません。

しかし、不便さや所作が相手を大切にしていることを伝えます。

テレビに出ていた温泉宿では、仲居さんは立ったまま引き戸の開け閉めはしません。

座って引き戸を開け、立ち上がってお客様の部屋に入り、座り直して引き戸を閉めていました。

立ってやれば数秒のことを、何倍の時間もかけてやっているのですが、お客様はその手間のかかる所作から、自分が大切にされていることを感じ取ります。

これは、文明ではなく、文化

その所作も、その所作で大切にされていると感じる感性も。


効率化だけを追求すると世界各国に残っている文化が大切にされないかもと心配します。

もともと日本人は、アニミズム信仰のある国民性。

使い古した筆箱にも何だか魂が宿っているようで情が移り、捨てられなくなることもあります。

そういった文化を大切にしたいのですが、それを伝えてくれる人が少なくなっています。


今になって亡くなった祖母の言葉を思い出します。

「いやんべじゃ」

多分、いい塩梅だね。今日の天気も気分も

の意味だと思うのです。

ネットで検索するでもなく、風のにおいや空の青さで感じていたのでしょう。


そういった挨拶で会話が始まる文化はずいぶん遠くなりました。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年9月3日水曜日

読書の秋

 日向市では、新しい図書館整備に向けて、様々な準備が始まりつつあります。

とても有難いことです。

自宅でもなく学校でもない場所で学ぶ環境があるのは嬉しいものです。

最近の高校生は、カフェ勉と言って、自宅以外のカフェで勉強する子も多いとか・・・。

1日最低でも500円はかかるでしょう。

毎日となるとかなりの負担なので、カフェではなく空調が効いているところを探している生徒もいるようです。

自宅をわざわざ離れなくてもと思いますが、

東京大学の池谷教授は

「行動することでやる気が生まれる。」

「やる気があるからカフェに行くのではなく、カフェに行く行動を起こすことがやる気のスイッチを起動させる。」

と仰っています。

もちろん、外では気になる音楽や人が出す音が作業効率や集中度を下げますので、

外でやるなら単純暗記や数をこなす勉強

家でやるなら、じっくり取り組むような思考を要する勉強

と役割が違うでしょうから、上手に使い分けるのがいいですね。


その意味では、使い分ける場所が新たに生まれることは大歓迎です。

また、近年若者の読書離れが進んでいますので、勉強に飽きたら、そこにある本をめくってくれるといいなと思います。

かつて、デカルトは

「優れた本を読むことは、過去の優れた人たちと、会話を交わすようなもの」

と言い、スマイルズは

「人の品格は、読む書物によって判断できる。ちょうど、つきあう友人によって判断できるように」

と言っています。


この秋、良い本との出会いがあるといいですね

季節が秋へと急いでいます。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年9月2日火曜日

墨守

「墨守」

聞きなれない言葉です。

泰平の世であれば、波風を立てず、決められたことをすればよい。

迷惑な情熱家だと和を乱すと考えて、前例を大切にして過ごした官僚が多かったのが、江戸期だったかもしれません。

そのためかは分かりませんが、迷惑な情熱家は大した役割も与えられず、朽ちていくことが多かった。

と歴史小説に書いてありました。

なるほど、平和の世であれば、能力よりも人柄が、

改革よりも継続が大切となるのでしょう。


しかし、この発想では黒船を迎えられなかった。

想定外にめちゃくちゃ弱い。


なぜなら、決められたことを決められた手順で行うことが大切で、

「なぜ」その決まりがあるのか、「なぜ」その手順なのかを自分の頭で考えていなかったからです。

だから、幕末期のバタバタと決まっていく外国との対応は、行き当たりばったりで、不平等条約を結ばされました。


もしかしたら、今、想定外の世の中の大波に飲まれているかもしれないと思うのです。

最近、AIにこのブログを読ませて作者(私)を分析してもらいました。

その分析の視点の鋭さには舌を巻くほどでした。


そう言えば、囲碁や将棋でAIに人間が勝てなくなって時、大騒ぎになりましたが、何のことはない、身の回りでも様々なデータ分析の分野や定型型の業務でそれが起こっています。

そうなると、人間の活躍の場は、非認知の力(grit)でしょう。

決められたことを決められたとおりにやる仕事をAIに任せるなら、なかなか定量的に評価できない非認知の力こそ見直したいものです。

  1. Guts(度胸):困難なことに立ち向かう
  2. Resilience(復元力):失敗しても諦めずに続ける
  3. Initiative(自発性):自分で目標を見据える
  4. Tenacity(執念):最後までやり遂げる

墨守すべきは、この力

キャリア教育でも大切にしている力です。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年9月1日月曜日

オイルが何より大切

よのなか先生には、いつも人間関係を作ることが大切だと教えらます。

この考え方は、北欧の豊かな働き方で話題となっているデンマークでも重視されています。

「デンマーク人が小さなころから教育で身に着けてきた社会性は、機械を動かすオイルのようなもの」

「多様な個性をまとめるための必須アイテム

と表現されますが、要は人とうまくやれないと生産性が落ちて、働き方改革どころではないということです。

しなくてもよい手間をかけて一人で全部やる仕事では、質が落ちたり、改善がなかったりするでしょうからね。


最近、そのオイルを私たちは手放している気がします。


人間ですから感情の対立はあるでしょうが、そればかりでは前にすすめません。

対立を生んでいる便益を明らかにし、守ろうとしている便益を尊重し、折り合いをつけたり、よりよい工夫を生み出すことが大切です。

片方が、全面降伏の対立で、片方が全く納得していない中で、効率性やモチベーションが上がるはずはないですからね。


だからこそ、オイルの大切さを、繰り返しよのなか先生に語ってもらっているのです。

勉強だって同じです。

集団がとにかく大切。

それを、東京大学池谷教授は人間の脳の仕組みから説明しています。

子どものモチベーションに一番の影響を与えるのは友達環境だというのです。

ただ、残念ながら、どんな友達を作られるかに大人が介入できるのは微々たるもの。

基本的に子供に決定権があります。

なにしろ、親よりも友達が大切だからです。

我が町にも英語圏から来た小中学生がいますが、何より大切な友達とのコミュニケーションを重視するあまり、母国語があやふやになっていることもあります。

モチベーションの維持に友達(仲間)が影響しているのは、ここからも分かります。


小中学校では、友人関係でトラブルもあります。

なにしろ自分を説明できる言葉を十分に持っていないのですから。

しかし、それでも何とか自分のオイルを作り出し、解決していく経験が大切ではないでしょうか。

大人がトラブルを引き取って勝手に話し合い、何となく謝罪があって、表面上は解決したとしても、その子のオイルは全く増えていかないのですから。


そこに、よのなか先生が何度でも語る価値があるのです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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お世話になりました。

私事ではございますが、9月末をもって日向市キャリア教育支援センター長を辞任いたします。 着任からちょうど1年半。 その間に発信したブログ記事はおかげさまで250回を超えました。 日々の思いや気づきを綴ってまいりましたので、共感いただけるものもあれば、首をかしげるものもあったか...