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2025年5月14日水曜日

技術の進歩を上手に生かそう

昨年度のことです。

ある研修会を依頼されましたが、台風接近が予想され、急遽、延期の依頼に変わりました。

ところが、台風は予想された時刻に日向市に到達しませんでした。

研修は可能だったのですが、それも後の祭り。

いつもながら、自然の前では人間は無力です。


ただ、今の時代は、ネットでつながっているのですから、わざわざ集まらなくても

ZOOMでの研修も可能です。

工夫次第で臨機応変に対応できるはずなのになあと思いました。


そういえば、コロナの時期は外出が制限されて対面での会議はなくなりました。

しかし、ZOOMを使って運営協議会などはできました。


この時、この仕組みはいいなあと思いました。

お母さんは何をしているのかなあと覗きに来る子供が画面の隅に時々現れて

「ちょっと待っててね」とお母さんがなだめると、画面からいなくなる。

子どもも「うちのお母さんは学校の先生たちと話をしていて頑張ってる。」と感じるのでしょう。


いろいろな会議では、「都合が悪くていけません。」が、今でも主流です。

しかし、過ぎ去ったコロナの時期にできたこのやり方は、これからも可能なはずだと思うのです。


もちろん、持っているディバイスやスキルも違うので、最初からスムーズにはいきません。

しかし、お年を召された方も、パソコンではなくスマホで参加できるようになるのです。

集まらない会議は、場所を選びませんから、いろんな可能性も期待できそうです。

PTAの会議でも、先生方の出張でも、現状のやり方を疑い、新しいやり方を試す価値は大いにあると思うのです。


新しい技術を上手に使うことは、子どもを支援する大人にとっても大切。

昔に戻るのは簡単ですが、我々大人が一歩前に進む姿を見せたいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

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2025年5月13日火曜日

子どもたちにつけたい力

 AI技術の進展によって、数多くの仕事が機械に取って代わられると言われています。

何しろ機械はメインテナンスさえしっかりやっていれば、長時間労働ができますし、単純な型通りの仕事なら、ミスも起こしませんから。

イギリスの産業革命では人手不足を機械化で解消しましたが、皮肉なことに単純作業の仕事は機械に取って代わられ、多くの働き手の仕事が奪われました。

そして、国中でおこったのが機械打ちこわし運動。

しかし、機械化は加速度的に進み、いわゆるホワイトカラー(事務系)と言われる人たちを大量に生み出しました。

今や事務系の人手不足が起こっているほどです。


大八車や荷馬車を使って運搬をしていた人の仕事も車にとってかわられました。

大八車の仕事は無くなったけれど、今や日本の就業人口の8%の人が自動車関連産業に就いています。

新技術は新しい仕事を生んだのです。


令和の今、結構深いところまで考え、データ編集やプログラム作成までする人工知能技術が進んでいます。

IOT(interenet of things)といってインターネットに接続された家電等も続々と登場しています。

スマート冷蔵庫などは、食材管理やレシピの提案までしてくれるというから驚きです。

スーパーやコンビニの在庫管理や発注システムは手作業からデータ化され、物流では自分に届く荷物がどこにあるのかまで分かるようになっています。

これまで人がやっていた仕事だけでなく、人がやっていなかった仕事にまで機械化が進み、結果的に事務系の人手不足は解消されるかもしれません。


しかし、歴史を振り返ると、これからの世の中も新しい仕事が生まれるに違いありません。

どんな仕事が生まれるかは分かりませんが…


ただ、どんなにAIの力が人を超えようが、越えられないものがあるはずで、そこが人の強みになるはずです。

コミュニケーション能力などは、その最たるものでしょう。

人は平気で怒った顔で「怒ってないよ」とか、ニコニコしながら「怒ってるよ!プンプン」

と言えますから。

人の感情を敏感に読み取ることは、AIには難しいでしょう。

人は目の動き、声のトーン、ため息などの生体反応でも、いろんなサインを出しています。


ですから、せめて小中学校時代には、嫌いだから話をしないとか、何を考えているのか分からないから近づかないのではなく、人間関係作りの練習をしてほしいのです。

上手な人間関係を築けない人にも将来の選択肢はあるでしょうが、選択肢は広い方がいいですからね。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年5月11日日曜日

市内の先生方を迎えての研修会(2)

先日の研修会では、本年度本センターが学校に提供する講話やワークショップを紹介したところです。

1 教職員対象

 (1) 基本研修

  キャリア教育とは何なのかを研修するものです。

    (2) ワークショップ研修

 ① 価値発見

   これまでの協力していただいたよのなか先生の至言を集め、

   共感する言葉や価値観から、自己分析につなげる。

 ② 仕事の役割

   国内大手家電会社を例に、仕事を成立させている様々な役割をカード化し、

   属性や順番を考え、仕事の全体像を調べる。

 ③ エピソードシート

   よのなか先生のエピソードを、分かりやすくまとめたシートから、

   その仕事の社会的な役割、必要とされる能力や態度などを考えていく。

 ④ ファシリテート

   よのなか教室において、ゲストとして迎えたよのなか先生から上手に話を

   引き出していくスキルを学ぶ。

  (3)  マナー研修

   教職員対象のマナー研修。社会人としての基礎マナーの理解と電話応対

   などを演習で学ぶ。

 (4)  面接研修

   中学校で行われている面接の練習を意味あるものにするための研修。

2 小中学生キャリア教育授業

 ① 6年生3学期に行う授業

   中学校生活へのモチベーションを上げ、計画を立てる授業

 ② よのなか挑戦体験前授業

   中学校の社会体験学習前に、働く意味や意義を考え、体験に視点を

   持たせる授業

3 保護者対象講話

 ① 新1年生、新中学校1年生保護者対象のキャリア教育講話

   新しい環境に前向きに迎えるようにするための講話

 ② 家庭教育学級講話

   家庭でのキャリア教育をベースにした講話。


これらのメニューを学校に提供しようと思っています。

現在学校にアンケートをしていますので、ニーズに応じた対応をしていきます。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年5月8日木曜日

市内の先生方を迎えての研修会(1)

 昨日は、市内の管理職の先生とその学校のキャリア教育担当の先生をお迎えして研修を行いました。

当センターは、

①キャリア教育の基本的な理解

②当センターが学校に提供できる研修等

について担当させていただきました。


前半の、「キャリア教育の基本的な理解」で、まず先生方に問うたのは

「あなたの今が10でできているとして、学校教育がどのくらいの割合であなたを作っていますか?」

でした。

数名の先生方に尋ねましたが、ほとんどの答えは2か3、最高6でした。

先生でさえ、こんな割合ですから、学校だけで人が作れるわけはないと分かります。

やはり、人は多くのコミュニティや組織、役割などの中で作られ、磨かれていくものだと改めて実感できました。

ですから、本年度も多くのよのなか先生を学校に連れて行って、子どもたちの未来づくりのお手伝いをして頂きたいと思います。


常識を広げる話もしました。

学校だけの社会観や価値観だけで子供を育てるのではありません。

それでは、視野も狭いし、視界も短いですから。

子どもはもちろん、先生方の常識(フツー)を変えることの大切さを再確認させてもらったのです。


フツーを広げることは可能性を広げることです。

昨日は話をしませんでしたが、例えば抹茶アイス

抹茶もアイスも飲んだり食べたりするものですが

9世紀に薬として唐から入ってきた抹茶と大正時代に一般化したアイスクリームは決して似たものとは言えません。

ただ、誰でも抹茶は知っていた。

そして、誰でもアイスクリームを知っていた。

しかし、みんなのフツーは抹茶は飲むもの、アイスは食べるものだった。

ところが、遠く離れたこの2つのフツーを打ち破ると美味しいものができあがった。


大体新しい発見は、既知×既知

知ってはいるけど、関連が遠くて結びつけようとは思わなったものを結び付けると

全く新しい価値のあるものの発見につながることも多いようです。


だからこそ、キャリア教育でも先生だけのフツー、学校だけのフツーを子供たちに刷り込むのではなく、多くの大人のフツーを教えていくことを大切にしたいのです。

それが、子どもたちの飛び立つ未来を大きくすことに繋がると信じています。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに

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2025年5月7日水曜日

暗記知識の軽薄さ

 昔、江戸湾にペリーがやってきたことを社会科で習いました。

テストでは、その時に結んだ条約名や年号、開いた港の名前が問われました。

単なる暗記テスト、思考を全く使いません。

こんな暗記テストなら、

①なぜ、その時までに開いていた長崎ではなく、下田にやってきたのか?

②なぜ、その年代までやってこなかったのか

③なぜ、ペリーなのか

④どのルートで日本にやってきたのか

⑤なぜ、蒸気船を2隻も使ってやってきたのか

などが分からなくてもいいし、考えなくてもいい。

社会科が暗記教科だと揶揄されるはずです。


ちょっと調べれば

①それまでの外国への玄関は長崎であり、オランダが独占していたこともあって、いろいろな国が直接江戸との交渉ができず、のらりくらり時間ばかり過ぎていた。

②アメリカは、西部アメリカやメキシコ領などへの領土拡張期であり、日本にまで関心が向いていなかった。

③アメリカとメキシコの戦争で、特に軍功を上げていたのがペリーであり、初めての国への特使として名前が挙がった。

④アメリカから大西洋を渡り、アフリカの喜望峰からインド洋を抜けてくるルートで、修理や補給できる港が確保できていた。太平洋を渡るルートはアメリカ自体に太平洋側の港の準備が万全ではない上に、当時の蒸気船の燃料の積載量では一気に太平洋を渡るのは無理だった。

⑤蒸気船は軍艦であり、威嚇の意味があった。

など、なぜの世界の深堀ができ、昔の人の思考をなぞれます。


歴史とは、過去の人が何に悩みどんな決断をしたのかを知り、未来に生かすこと

なぜなら、人自体の脳はこの1万年くらい進化していないのですから。


今、探求学習が大切にされつつあります。

キャリア教育でも、答えを覚えるのではなく、たどり着く活動を重視したいものです。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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情報に惑わされないリテラシーを

新聞やテレビ、YOUTUBE

情報が錯綜しますね。

ゴールデンウィークでメディア漬けの子どもたちもいろんな情報の中にいることでしょう。

しかし、考えてみると珍しいことめったに起こらないことだからニュースにもなるし、話題にもなるのです。


例えば、隣のおじさんが今朝も庭でラジオ体操をしていたとかは、メディアが取り上げるはずはないですよね。

珍しいから取り上げられるのです。

ただ、このメディアの情報は、しっかりと構えていないと、間違った刷り込みで世の中が分からなくなることがあります。

下手したらチンパンジーにも負けることだってあると警鐘を鳴らした本が昔売れました。

「FACT FULNESS」

という本です。

北欧の大学生に3択問題を出して、その結果から現代人の思い込みによる間違った解釈に気づかせるものです。

例えば

Q 自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?

答えの選択肢

A 2倍になった B 変わらない C 半減した

だったらどうでしょう

正解は

「C」の半減した。

毎日のように異常気象のニュースや映像を見せられていると2倍くらいになったのではと思いがちですが、ちゃんと統計を調べるとそうでもないのです。

世界各国、自然災害に対するインフラの整備や医療技術の進歩が進んでおり、自然災害でなくなる人の数は半減しているのです。

ところが、自然災害に興味や関心がある人は、いろいろな災害状況に対する問題意識があるがために2倍になったと答えやすいらしいです。

チンパンジーなら3択ですから、33%の正答率でしょうが、勉強している人間の正答率は10パーセント未満だというのは笑えない話です。

人は、正確な情報から判断せず、あってほしい結果から類推する傾向があることも間違いを助長しています。


こういった問題ですら、これだけのミスリードが起こるわけですから、正確な情報の裏付けがない一次情報を鵜呑みにすることは危険です。

確かその本では、飛行機事故の映像が流れると、自動車に比べて事故率が低い飛行機に乗ることが怖くなる現象を説明していました。

飛行機は、1万年弱の間、毎日乗って1回事故にあうかどうかですが、自動車はそうはいきませんし、加害者にだってなるのにです。

思い込みが先行すると、正しい情報の方を疑ってしまうというのです。


メディアの情報は玉石混交

今や中学生のスマホの所有率も5割を超えると聞きます。


情報に惑わされないリテラシーを付けさせたいものです。

自分の未来を決める情報の集め方、整理の仕方、解釈の仕方などにもつながるキャリア教育でも大切な視点でもありますから。


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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2025年5月1日木曜日

困り感を大切に

 9÷4=

といった割り切れない問題を出された時、素直に解き始める子どもと

仕方なく解き始める子どもがいます。

8÷4

なら、気持ちよく解けるのに、わざわざ余りが出る問題を出されると、

挑戦意欲がくすぐられる場合と面倒くささが先立つ場合があるのは仕方のないこと。


ただ、学校の算数の授業が人生初めての割り算では、かわいそうです。

例えば、4人家族の場合

冷蔵庫のミニトマト9個を分けるお手伝いを頼まれた、経験があったらどうでしょう。




子供なりに2つずつ皿に分ける場合と




1つずつ乗せて、余りをもう1周乗せていく場合があるでしょう。

どちらも、最終的には1つ余るのですが、こういった2つの分け方や困り感を経験した上で

計算問題に取り組んだ方がイメージがしやすいはずです。


数字はミニトマトを抽象化したもの。

色も味もない数字から考えるのは難しいですから、数の経験は大切です。

また、残りの1個も家庭なら

「では、切りにくいけど4つに切って分けよう。」

「体の大きなお父さんかお母さんに上げよう。」

と考えることもできます。

そこには、割り進む発想や割合の考え方も入っています。


実体験のないまま、数の世界で困らせたくないものです。

ゴールデンウィークも後半戦


ぜひ、ご家庭のお手伝いを子供たちに


今回のお話はこれで終わります。

次回をお楽しみに。

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技術の進歩を上手に生かそう

昨年度のことです。 ある研修会を依頼されましたが、台風接近が予想され、急遽、延期の依頼に変わりました。 ところが、台風は予想された時刻に日向市に到達しませんでした。 研修は可能だったのですが、それも後の祭り。 いつもながら、自然の前では人間は無力です。 ただ、今の時代は、ネットで...